2008-08-31

Slow Life










いい天気でした。




まだ、講義は始まりません。が、それなりに楽しい毎日です。

特に予定もないし、遊ぶ友達もいないのでひたすらreading.
どうやら、英文を読むスピードが上がったようです(最初は2日で1本だったのですが、今日は3時間で読み切ったっ!)。やはり集中は何よりも大事ですね。

問題はspeaking & listening.

昨日、日本にいるときにお世話になった留学生(ストックホルムから東京に来ていた)と再会しました。英語がうまくなったと褒められましたが、おそらくうまくなったのはお世辞を理解した彼女の日本語ではと思ってしまったり。


起きて、料理して、朝食を食べて、単語をやって、図書館に行って、戻ってきて昼食を食べて、図書館に行って、ジムに行って、日記を書いて、読書して寝る、そんな日常です。

山崎養世氏のblogをようやくきちんと見ました。驚くほど同じ考えですね。帰ったら絶対会いに行きたい。


ちなみに、写真は大学の裏の公園。
こっちは男性が乳母車を引いて子供を遊ばせるのが普通らしい。素敵です。





2008-08-29

"Sokka ni izumi ari"

座右の銘。



Stockholmに来てはや10日。来週からの講義開始を控えて、予習の日々である。
Trendsppoting & Futurethinkng という講義に登録したのだが、この講義のone of uniquenessは評価の30%がblogで決まること。どうやら講義用blogを作成し、週2,3回更新すべきらしい。ということで、早速作成してみた。

当然、言語は英語である。
もうお気づきかもしれないが、そこで、左のAbout Meに英語が加わったわけである。
とりわけ苦労したのは「足下に泉あり」の英訳である。


この言葉は私のorginalではなく、浅野史郎氏の座右の銘である。
彼は高校の大先輩であり、(学部は違えど)大学の先輩でもあり、(考えようによっては)職場の先輩でもある。以前、学生記者として宮城県知事時代の彼にインタビューをした際、帰りがけに色紙にサインを頂き、そこに記された言葉がこれであったのだ。

当時は言葉の意味を「大切なものほど近くにある」と理解しており、私の将来もまさにそのようにして決めたため、これが座右の銘なのだが、実際は少し違うようだ。

本人によれば「『今の仕事はつまらないし、つらいけど、なんとかこなしていれば、次にいい仕事が回ってくるだろう』という考えは、公務員になったらやめなさい。今の仕事の足元を掘り進んでご覧。必ずや、豊かな泉が湧いてくるよ。」ということらしい。この言葉は彼も上司から言われたものであるらしく、与えられた仕事を無難にこなす、という思考から抜け出すきっかけとなったそうである。

と、これをsimpleに英訳すると
"You can get something precious by what you are working on, even if that felt boring"
となる、のだろうか。いつか本人に確認したいものである。

ちなみに、彼は24歳でUniversity of Illinoisに留学している。当時の体験を「大学と図書館を往復するだけの禁欲的な生活だった」と語ってくれたが、その意味が実感として分かる気がする今日この頃であった。




※なお、今回の文体は浅野史郎WEBサイト『夢らいん』に準じた。

















2008-08-27

Cook by myself !











料理開始。



昨日はようやく調理を開始しました。
キャベツとたまねぎとウインナーとたまごのスープと、ご飯。

スーパーが近く(というか同じビル)にあるせいで、毎日買い物に行っていたのですが、これだと食費がかさむ。ということで心機一転、買い物は週一回で自炊することにしました。

皮肉なことに、コメだけが安く、1キロ200円ほど(日本だと400円ぐらい?)。
短粒種なので、味は日本の古古米ぐらいです。
実家は鍋でご飯を炊いていたので、炊飯も問題なく終了。


PCがあるので、excelで家計簿をつける日々です。
財布の中と表の数字がぴたりと一致する感覚は、やみ付きになりそうですね。
一週間たって、だいぶ感覚が飲み込めてきたので、そろそろ予算管理を始めようかしら。





2008-08-26

My room is clean!










留学っぽい一日。



今日は朝に同居人のオランダ人が帰宅。
あとからインド人が来るらしいですが、こないうちに部屋の掃除。
彼は2週間弱しかいなかったらしく、洗濯も掃除もごみ捨てもまったくせず。
そりゃ汚いわな。
きれいにしたらテンションが上がってきました。

図書館に行って、プリントカードを直してもらって、講義の参考資料を印刷。
・・・あり過ぎる。3000円ぐらい使っていました。(ちなみに1枚プリントでほぼ10円)

International business strategyという授業を取ったのですが、毎回assignmentがあって、readingとして、Harvard Business Review とか、California Management Reviewとかが挙がっているんです。図書館で聞いたら、全部e-journalになっていて、PCからアクセスできるようになっていました。すげえー。

たくさん印刷したら、勉強した気になって更にテンションが上がってきました。
そんなに友達と遊ばなくても、きちんと予習して勉強できればいいんですよね。

夕方はジムのカードを作って早速筋トレ。
12月まで使って30000円ほど。おそらくこれが留学中一番の買い物でしょうね。
まあ、頭と体にはお金を掛ける主義なのでしかたない、ということで。

こっちはNPOがジムを運営しているそうな。驚きです。

夜はamazon.frで教科書を買いました。
jpとかcomだと配送料が本代以上にかかるし、seはそもそもなくて、代わりのサイトは高いし。

まさかスウェーデンでフランス語を読むとは思わなかったですね。
確認メールが読めないので、ちゃんと届くのかすごく心配ですが、なんとかなるでしょう。

僕の講義は9月からなので、明日からは予習の日々ですね。
明日はご飯を炊くぞ!


















2008-08-24

first week in Sweden.











(写真は大学の入口)

一週間経ちました。


月曜の夜にスウェーデンに着いたので、まもなく一週間です。
まだ授業は始まらず、orientationとpartyなどなど。
買い物、洗濯、ごみ捨て、掃除、と一通りこなし、ようやくこちらの生活にも慣れてきました。
多少寒い(最高気温が23cぐらい?)ですが、大学が宿舎からすぐなのであまり問題ないです。
物価は高く、はっきりいって2倍。節約しないと本当に生きていけなそうです。


驚くべきは街並みが凄く綺麗なこと。
カナダ人曰く、"typical europian city" らしいですが、こんなに素敵なんですね。驚きです。
そういえば、ヨーロッパに来たのは初めてでした。
建物が古く、同じ高さに揃っているので、調和が取れていて、歴史を感じます。













人も凄く親切で、積極的に迎えてくれる感じ。いいところです。
exchange studentの出身は、カナダ、スイス、デンマーク、ドイツ、フランス、ノルウェイ、中国、台湾、シンガポール・・・などなど。みんな凄く優秀そうで、「ああ、こういうところで勉強してみたかったんだ」としみじみ感じました。


問題は英語。
・・・みんなあんなに話せるのは何でなんでしょうか?というか、この語学レベルで来た自分が場違い?
とにかくみんな英語が堪能で、とにかく早い。聞き取れないって。。。
一週間過ごして、自分が一番英語ができないことが分かりました。やばいやばい。

聞き取れない→話せない→話さない→うまくならない、という悪循環に陥りそうな感じ。

授業は9月1日からなので、それまで予習をして、なんとなく理解しておこうと思うのでした。

12月までには、アジア人は抜いてやるぞ。














2008-08-16

『スウェーデンの持続可能なまちづくり―ナチュラル・ステップが導くコミュニティ改革』(サラ ジェームズ, 高見幸子,トルビョーン ラーティ/新評論)













NGOと環境。



これもスウェーデン系。
内容はNGOナチュラル・ステップの活動紹介です。
日本を含め、世界10カ国で活動する、有名なNGOですね。

活動指針が明確。これはすごい。

1、天然物質の濃度が増え続けない。
2、人工物質の濃度が増え続けない。
3、自然が物理的に劣化しない。
4、人間の基本的欲求を妨げない。


基本的に活動紹介なので、「こんなすばらしい取り組みがあります」が連続するだけ。
組織構築や制度設計に萌える人間としては、うーん、という感じですが。


「何でスウェーデンでできるんだろう?」
「何で日本ではできないんだろう?」
「何で日本では出来ないと思うんだろう?」

どうやら、地域コーディネーターのような役職があり、自治体やコミュニティレベルで雇っているらしい。

日本でも同じようなことはやっているはずなんですが。
きっと何かが違う気がする。



そろそろスウェーデンの本はやめて、日本の本を読まないと。

と言っても遅いか。。。






『モテたい理由』(赤坂真理/講談社)













「エビちゃん現代資本主議論」



タイトルはモテ本ですが、内容は「現代日本論・日本資本主義論」。

戦後、戦争と「大日本帝国」を否定した日本人。精神論の反動で飛びついたのは物質主義・拝金主義。そんな社会の中で生き残るためにオンナは敏感に「美しさ」を身につけ、雑誌はそんなオンナを創り上げるというスパイラルが生まれる。一方、戦争を失ったオトコは徐々にメス化し、「普通の男」が絶滅状態にある・・・。


男性向けに「女性マーケティングの構造」を解説する、というのが具体的な内容。
『CanCam』『JJ』とかがどういう構想で、どういう背景で、どういう人に向けて作られているかが詳しい。

確かに女性誌って、凄い。
ものすごく細かいセグメントテーションがしてあって、雑誌の中にも、雑誌間にもストーリーがある。
買わせる仕組みも巧妙。
夏には冬の服が載り、次刊には冬服を秋用に着こなす術が載る・・・みたいな。



・・・と自分で書いても何だか凄さが伝わらないので、気になる方はぜひ。

惜しむらくはタイトル。「エビちゃん現代資本主義論」のほうが売れた気がする。




内々定先の同期から留学の餞別に?もらった本。
そういう意味の発見が多い本でした。










『21世紀も人間は動物である―持続可能な社会への挑戦 日本vsスウェーデン』(小沢徳太郎/新評論)













「現在の仕組みを変えることが原理的に可能である」(野口悠紀雄)


タイトルは凄いことになっていますが、内容は「スウェーデン万歳!日本最悪」という本。

良いところは、話題が多いところ。制度や政治体制や市民意識やグローバリゼーションなど、様々な分野から「持続可能性」と有識者の意見、自分の思いを書いています。

悪いところは、軸がないこと。この人の専門は何なんでしょうか?論拠が薄弱なため、検証が表面にとどまり、単なるスウェーデン賛美者の域を出ていない気がしてなりません。


環境大国=スウェーデン
経済大国=日本


この構図は分かりやすいのですが、そもそも環境と経済はトレードオフの関係にあるはず。
どこまで経済成長を犠牲にして環境負荷を内部化していくのか、その決定の差が社会の差。

また、その差はそれぞれの社会の「合理的な」決定のもとに出来上がっているはずなのです。
つまり、ある社会にとっては、きっと現状が「最適」なのです。


・・・それがなぜか?そもそも「最適」な状況の何が問題なのか?


それがすっぽり抜け落ちていると、何だか残念です。
書こうとしているのでしょうが、書くべき技術を持たない、というべきか。
もしくは、書いているけど、読み手が理解する技術を持っていないというべきか。




冒頭の引用された野口先生のひとことが一番印象的でした。


変えられると思うから、変わるんでしょう。




2008-08-15

『スウェーデン―自律社会を生きる人びと』(岡沢憲芙, 中間真一編/早稲田大学出版部)













自律と自立と而立。



これもスウェーデンの本です。テーマは「自律」。

これもエッセイ集ですが、最初の2つは体験談とインタビューなので、具体的で面白い。
スウェーデンの実像が垣間見える気がします。

印象的だったのは「自己決定」「自己責任」が当たり前という出産。
そして、社会人になってから大学に戻って勉強ができる社会制度と価値観と大学。


社会人になって、もう一度大学で勉強するなんて、日本では役人ぐらいですよね。
スウェーデンには「リカレント」という仕組みがあり、勤労成人は誰でも望めば教育と労働を交代できるようになっているらしい。

「今までになく、知の欲求がこみ上げてきた」という、ハンバーガーショップでのマネジメントからストックホルム商科大学(おそらく留学先)にパスした女性のインタビューが心に残りました。



「勉強したかったら大学時代に将来決めて、専門性を磨いとけよ」とか言ってませんって。


きっと社会に一回出てから大学に入れるほうが、何かの指標は上がるんでしょうね。










『ポジティブ・チェンジ~主体性と組織力を高めるAI~』(ダイアナ ホイットニー/ ヒューマンバリュー)













Change positively !



覇気のない、やる気のない組織。そんな組織を活性化させ、全てがうまくいくような最高のチームにする方法があったら・・・

本書はそんな手法「Appreciative Inquiry (AI)」を紹介した本です。

知り合いの学生団体の神様みたいな方が「すっごくいいよ!!!」と薦めていたので読んでみたのですが、なんだかすっきりせず、胃もたれ気味です。うーん、知識と経験の差か。。。

①言葉の持つ力
②ポジティブなイメージの大切さ
③ハイポイントを引きだすストーリー
④ドリームにあった組織のデザイン
⑤聞いてもらうことの価値

ポイントは上記5つ。
まとめれば「言葉には人の潜在意識に働きかけ、行動を誘導する大きな力がある。ゆえにポジティブな言葉を発し、自分自身に信じ込ませることは重要で、組織も同様である。そのために組織にとっての最高の瞬間のイメージを言葉としてメンバーから引き出すことが組織活性化の一歩となる。そのためには質問の技術が必要だが、断続的な質問ではなく、連続したストーリーとして質問することが重要。出てきたポジティブなイメージはまとめると大きなドリームになるが、そのドリームに沿って、事業だけでなく組織図や職場のレイアウトまで、すべてを変えていかなければいけない。こうした活性化の前提は、人に話を聞いてもらうということ。自分を理解してくれる人がいるからこそ、人は努力し、夢をかなえようとするのである」

という感じでしょうか。


このテの本は2冊目。
わかったのはビジョンや目的の見直し、共有には途方もないコストがかかるということ。
見せ掛けだけでやると失敗するのですね。


何かとネガティブになりがちな自分ですが、ポジティブなほうがいろいろいいんですね。
性格変えようー。。。









As soon as man is born he begins to die.










終戦記念日。


オリンピックを見てもナショナリズムを感じない私ですが、さすがに今日@東京なら。

靖国神社へ参拝してきました。そういえば、3度目ですね。
去年は確か雨が降っていましたが、今年はやたら暑くて、人も多かった印象。


・・・ニッポンってこういう国だったのか。
何だか、この日は日本の表と裏がここにぶわぁっと出てくる気がして、不思議です。
この国には、見せていいものと見せてはいけないものがあるんですね。


同世代の参拝者は1%いるかいないか。


50年後はきっと空いてるんでしょうね・・・と、去年と同じことを思いました。
時代が変わっても、ここにくるとみんな思うことはそれぞれ変わらないのかも。




お国のために。



2008-08-14

『チームリーダーの教科書―図解 フジマキ流 アツイチームをつくる』(藤巻幸夫/インデックスコミュニケーションズ)













「リーダーとは偉い人じゃない」。


タイトル通りの「チームリーダーの教科書」です。
留学に行く関係上、団体運営を引き継いだのですが、明文化されてないかなあ・・・と探した本。

対象はビジネスマンで、社内で「ヤリタイコト」を見つけ、リーダーとしてプロジェクトをはじめる人。
時間軸に沿って、具体例も織り交ぜながら、わかりやすく、簡潔に書いているよい本です。
この手の経営本の中では、ずば抜けて分かりやすい。

筆者はアパレル出身ですが、この手の本では著名な方。
すっごく「自分がどう見えるか」を理解している人らしい。

本書では単純に目標設定からタスク分担、マイルストーン・・・の技術論ではなく、
「人をどうまとめ、どう動かしていくか」という「考え方」を中心に書いているため、飲み込みやすくなっています。

特に印象的なのは「メンバーを一番よく知り、メンバーにとってよいことを考えることこそがリーダーの資格」というような哲学。お客様は神様、ではない。

メンバーが言葉に出していればもちろん、出していなくても表情でイイタイコトを理解する感性。
それは日々の気配りや会話や心がけという努力から生まれる、という考え方。
実践できているかは別として、すごく同感です。


レビューを書く前に友人に渡してしまったので、忘れないうちに記憶をいくつか。

①ビジョンの作り方
・現場感覚があるか
 ・・・事実をおさえるということ。誰に対しても事実でビジョンを説得できるようにいろんな人の意見を聞くということ。
・夢を持てるか
・社会のためになるか
・???(これ、忘れました)

②怒り方
意識の低下や甘えによるミスの場合のみ怒るべきだそうな。

③問題解決
おおよそ下記に集約されるそう。
・志の問題
・やり方の問題
・組織のあり方の問題
・もうひとつは忘れました。


そのほかにも「顧客からメンバーの変更要請があっても守りぬけ」とか「本音で話し合える場所を作れ」とか、「プロセスこそ評価しろ」「マーケティングとはリスク最小化」「引継ぎまでのタスクをスケジュールに入れて管理しろ」とか、いろいろあったのですが、まだ社会人でないので消化不良気味です。



これが全部「当たり前」にできるよう、自分の中でもチームを作らないとだめそうですね。






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2008-08-12

『地方分権と財政調整制度―改革の国際的潮流』(持田信樹編/東京大学出版会)













スウェーデン社会の本質。


スウェーデンシリーズの一冊です。
いろいろ読んでいたのですが、結局のところ、本質は財政じゃないのかと思って読んだ本。
編者は経済学部の財政学の先生。やさしそうな先生でした。
いろんな方が各国の財政制度を書いているという論文集。

①巨大な公共部門
・・・政府支出全体がGDPの65%(日本は38%)。ただし、所得移転を除く。
②県・市町村の明確な役割分担と自立
・・・県支出の9割が医療、市町村はほか全部。自治体は7割が自主財源で規模も小さい。
③政治の透明性
・・・公的補助が政治資金源。企業献金はもらわない慣習がある。
④投票率の高さ
・・・80%ほど。

これらをつなげると、「地方福祉」。

結局は、そういうことではないのかと。


税金が重くても、安心・安全を求める国民がいて、180年間戦争がなかったことへの政治的な信頼があるがゆえに、自らの意思を投票行動でリクエストする伝統があり、それを実現する政治がある。そして高負担・高福祉を達成するための制度として、明確な自治制度が発達した、

と考えていたのですが、

福祉国家の形成期の1960年代、スウェーデンは国ではなく、その役割を地方に任せた。その結果、地方では福祉サービスを賄うために増税が行われた。増税緩和の法律は何度も作られたが、結局は福祉サービスの享受が優先され、財政制度もそれを支えるように変化してきた。福祉サービスの供給はほとんどが公共部門によるため、市民の監視が厳しく、サービスが向上した。



スウェーデン財政の特徴に「水平的財政調整制度」というものがあります。
平たく言えば、「自治体間の格差是正」。ふるさと納税的な発想かもしれませんね。裕福な自治体が、貧しい自治体に歳入を移転する、ということ。

要は「地域が自前で公共サービスを提供する」という目的があり、福祉や教育の供給主体が公共部門だけであったことから、その重要性が増し、結果的に、手段として自治の仕組みや財政制度や政治への参加意識が高まっていったのではないか、というのが現状認識。



まあ、正解なんてないんですけど。













2008-08-11

『スウェーデンを検証する』(岡沢憲芙/早稲田大学出版部)













ジャンボ機。


文字通り「検証する」という印象。
スウェーデン社会の入門書です。
というのもなぜ、スウェーデンなのか、から考え、その後スウェーデンに対するイメージから入って、丁寧にそれぞれを解説している。


これによれば、スウェーデンとは<生活大国>であるそう。
出版当時(93年)、日本はバブルから多少後退したころであり<経済大国>との対比がしたかったのでしょうが、読む限り、その言葉に嘘はなさそうです。


高齢化・国際化・情報化・・・多くの政策課題を先駆けて体験した「フロンティア国家」スウェーデン。
180年間戦争をしなかったことで、社会資本の完成と、環境保全意識の高揚と、何より、政治への信頼を生み出しました。課題に対して、先送りすることなく、政治レベルで解決するという、デモクラシーの伝統がある、らしい。

俗に言う<スウェーデンモデル>とはウーロフ・ルイン教授(ストックホルム大学)によれば
①包括的な福祉システム
②平和的・協調的・効果的な労働市場
③合意形成を優先させる政治課題解決技法
であるそうな。


確かに、税金は高い。付加価値税(消費税)が25%ですよ。
そして、勤労意欲は低い。「あれほど病気になりたがる国民はいない」らしい。
公共部門は馬鹿でかい。国民の3人に1人が公務員(もしくは準公務員)ですよ。


でも、それらもろもろ納得ずみで実行しているという印象を受けます。
負担が大きいなら、それだけリターンを求めればいい、みたいな。

納得しなければ、変えればいい、そんな軽いノリの熱さを本から感じました。

「ここで忘れてはならないのは、スウェーデン型のきめ細かな公的福祉を基盤にした福祉国家は超大型のジャンボ機だということである。はたから見ている限り、あんなとてつもない巨大な鉄の塊が空を飛ぶはずがない。この超大型ジャンボ機を飛ばすためには、膨大な燃料が必要。よほど大きな浮揚力をつけなければジャンボ機は舞い上がらない。また、安定飛行を続けるためには広大な翼も必要。翼は広大なコンセンサス、燃料は膨大な財政、つまりは税収。」


このジャンボ機を操縦するのが、政治家でなくて、市民なのでしょうね。


そろそろ岡沢さんのは終わりにして、次を読みます。














2008-08-10

The strength of the chain is in the weakest link.

「やればよかったのに。意味なんて後からつければいいんですよ」



そういわれました。
・・・確かに、今考えると全くそうなんです。
先週に企画していたイベントを、事前に告知していたにも関わらず、取りやめました。
この文面だけ見ても「何でやらなかったの?ありえない」という感じ。
自分で自分を疑います。やりゃあいいんですよ。やりゃあ。あああ。


最近、団体運営がイマイチです。
臭いものに蓋をしている感じ。


そう分かっていながら、何だか動けない自分。過ぎてゆく時間。
いや、手は打っているんです。が、ことごとく上手くいかないのです。
一発で解決しようとして、結局何にもできないで終わる感じ。
もがけばもがくほど深みにはまっているようで、本当に泥沼なのです。




①学生団体の目的とは何なのか?
②トップの役割とは何なのか?



根源的にはこの問いが自分の中ですっきりしないだなあ、とさっき電車で気づきました。
いや、それぞれは黄金率のような普遍的な答えなんてなくて、自分で定義するしかないのだといま思っているのですが、そう思っても、明確な答えが出せないのです。

①について
・・・目的は学生の成長と社会貢献。抽象的には「学生にとって成長の糧になることに、社会的な価値を付与して発信する」でしょう。が、「学生の成長の糧」が「学生のヤリタイコト」と必ずしも一致しない。好きなことばっかりやっていくのがその人にとっていいのか、というとそうでもない気がするのです。しかも団体ですから、個人の違いもあるのです。定量化できないし。「学生の成長の糧」と「社会的な価値」が一致しないことだってある。「社会的な価値」と「学生のヤリタイコト」だって。。。
おそらく、この悩みを取り除く装置が「団体理念」であり、「活動目的」なんでしょうね。要するに「やるべきこと、やるべきでないこと」の判断基準を作るということか。しかし、文字である以上定量化もできないわけですし。制度として構築しても・・・。うーん。「機械のような、人の気持ちを考えない人間」を想定している自分が垣間見えて本当にダメですが。。。

②について
・・・まず、「自分のヤリタイコトをメンバーにやらせる」のか「メンバーにそれぞれのヤリタイコトをやらせる」なのか。その上で、どこまで動くべきなのか。どの期間の最適化を取るべきなのか。相手の人生の中での価値基準で判断すべきか、団体としてのプロジェクトの期間として判断すべきか。トップがいなくなったら回らなくなっても、瞬間的なパフォーマンスが上がるなら動いていいのか。どこまでトップダウンで、どこまでボトムアップなのか。人と組織、どっちを重視して考えるべきか(これは①関連ですけど)。



企業でなくて、政府でなくて、学生団体なんです。
お客様でなくて、有権者でなくて、学生なんでしょうか?
利潤でなくて、世論でもなくて、何なのでしょうか?
お金でなくて、票でなくて、・・・何なんでしょうか?





考えすぎるのは自分の悪い癖。
と分かっていても、考えないと進めないのです。
何だか、自分自身の生き方の根源にある悪い部分から発生している問題である気がして、
この機会に膿を出してしまいたい、と思うのですが。。。

動けば景色は進むのでしょうが、自分の哲学が揺らいでいて、自信がないのです。



・・・と、書いて少しすっきり。明日みんなに相談してみます。






今日は約3年ぶりのすっごくいい日だったのですが、何だか自分はダメですね。




TO:自分

「本なんて読まなくても、難しいことなんて考えなくてもいい。自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自分の頭で考えて、自分の言葉で語ってください」











2008-08-09

ごまとアーモンドのフロランタン











フロランタン。


やばい、これは美味しすぎる。。。
やはりと思ったのですが、こういう「甘いクッキー系」が好きなんですね。
・・・これだけ作ると、本当にいくらでも食べてしまいそうです。苦笑


クッキーにアーモンドキャラメルを載せて焼いたお菓子です。

以前材料をいろいろ無視して失敗したので、2度目の挑戦。
レシピがすんごく簡単なのです。このコストパフォーマンスでこの味は凄い。


アーモンドが少ししかなかったので、ゴマで代用。
こういう緊急時のアイデアで切り拓ける世界が料理の醍醐味。




あー、おいしー。






2008-08-08

『スウェーデンの経済―福祉国家の政治経済学』(岡沢憲芙,奥島孝康/早稲田大学出版部)


















経済と人と環境。


スウェーデン入門書第二弾。
タイトルがタイトルなので、読んだのですが・・・。なんかいまいち。

内容はスウェーデンの経済、関係の論文集、という印象。
なんだかつぎはぎだらけで、ちょっとかっがりしました。古いし(94年初版)。

・労使関係の特殊さ(多次元モデルらしい。よくわからないけど複雑)
・間接税(付加価値税)中心の財政制度
・GDP7割に達する政府財政規模
・とはいえ、歳出の6割は所得移転
・北欧以外、外国人移民は原則不可能

・県(医療)と市(教育・福祉)の明確な役割分担

財政制度と地方分権が興味深い。
日本の財政規模は80兆。GDPが500兆ですから、17%ぐらいです。
まあこれは、政府が小さいのか民間部門が大きいのかどっちかは定かでありませんが。

きちんと地方に独自の財源があり、役割分担が明確であれば、分権はうまくいくのかなあ、
という経済理論の発想ですが、スウェーデンを見ると、その通りのように見えます。


いろいろ書いてますが、本質的な政策のパッケージはそう違わないのでしょうね。

違うのは、環境と人?


『週刊 ダイヤモンド 2008年 7/26号』(ダイヤモンド社)













バランスよく、食がわかる本。


先日、待ち合わせ時間のときにふらっと書店で見て衝動買いした本。
(なんだかそんなのばっかりですけど)

この手の本は最近多いのですが、
特集ページ数がそもそも少なかったり、情報が白書丸写しだったり、と読む価値なし、が大半。
・・・と思っていたら、この本はまったく違いました。

60ページぐらい、特集されています。

ストーリーの組み立てがうまい。
農業の現状から、フードシステム関係者(生産者、小売、加工)へのインタビュー
国際貿易の歴史、農業政策の矛盾や、食品産業の現状・・・。
有名農家さんがこれだけ一度に出てくる本も珍しい。

本当によく書いてあって、驚きます。
要約すれば「農林水産省もよくやってはいるけど、いろいろ問題があるよね」という感じ。
わかって批判するのと、わからずに批判するのは全く違うのです。

基本的には、政府がいうことはもっともなわけです。
しかし、税金を使う以上、いろいろ不自然な圧力(いわゆる無駄)が加わってしまいます。
しかし、政府はそれを明らかにできない。だから嘘の塗り固めが重なっていってしまう・・・。
その辺は日本の政府の失敗の本質である気がしますが、補完するのはマスメディアなはずです。

その辺をふまえて、具体的に書いている。きっとすごくやり手の記者さんがいるんでしょうね。

・食料自給率は本当に重要な指標なのか?
・集落営農が農地集約化を阻む


いままで、この手の本は東洋経済>エコノミスト>ダイヤモンド、かと思っていましたが、
そうでもないみたい。

某先生に「記者が向いているんじゃないの?」と言われてそうとうショックだった自分ですが
ダイヤモンドぐらいは受けてもよかったのかなあ、とか思ったり。


ちなみに、Amazon.comでは1000円でした(定価670円)。
こうやって情報に値段がつくのは新鮮ですね。





『スウェーデンハンドブック』(岡沢憲芙,宮本太郎/早稲田大学出版部)













スウェーデンに行ってきます。


こちらでは全く報告していませんでしたが、夏に留学にいくことになりました。
場所はStockholm School of Economics(訳せばストックホルム経済大学)で、国はスウェーデン。
期間は8月18日から、12月30日まで(授業は8月20日から12月22日)。


ちなみにIDEASの世界経済学部ランキングでは
63位(64.19)Handelshögskolan i Stockholm, Stockholm, Sweden
79位(77.01)Faculty of Economics, University of Tokyo, Tokyo, Japan

となっています。

スウェーデンは確かに高い(「スウェーデン学派」という言葉すらある。ヴィクセルやノーベル経済学者オーリンやミュルダールなど、経済学の教科書に必ず出てくる人たちもいる)のですが、同じローカル言語の国で日本の低さは致命的。だって、GDP2位だよ。

大学に来て思ったのですが、日本って工業立国なんですね・・・。
技術屋の国、ものづくりの国、という誇りが日本の大学にはあって、だから世界のレベルも高いという話をどなたかがしていました。実際に研究手法や学生の意識を見ているとそれは本当のような気がします。

設立目的が官僚養成ですから、世界に「知」を生み出すところではないのかもしれません。
でも、今の時代、本当に官僚養成が目的なのか、目的に対して最適化されているのかと思うと、なんだか。
そもそも知らずに入学する自分が悪いんですが。
だからサークル活動ばっかりやってきたわけですが。

と、ぶちぶち言っていても仕方ないので、いろいろ探したところ
学部に交換留学の制度があり、それを利用して行くことになったのでした。
在籍したまま留学しようとすると、これしかないよ、と言われたのですが、冷静に考えると疑問です。
おそらく語学留学以外で、という意味だったのでしょうね。

募集枠が学部に2人しかなく、しかも就職が決まらなければ行かないつもりだったので、
行けるのは夢のまた夢の気がしていましたが・・・こう考えるとちょっと感慨深かったり。
そのために3年で卒業単位を揃えたんですから。

学部進学時点で大学に5年いることが確定していたので、さすがにもういいなあ、というのと
英語を学んで世界のレベルにアクセスしたいと感じたこと
様々な国の人と経済学という共通言語で議論してみたいと思ったこと
きちんと経済学の勉強をしてみたい、と思ったこと

きっかけはそんな感じで。

・・・一応派遣計画書(軽い研究計画みたいなもの)は作成したものの、自分で見てもいまいち。公務員試験のおかげでロクにリサーチもしていなかったので、いまさら本を読んでいるわけです。「お前はもう、死んでいる=はじめたときの問題意識の質で、結果の質が決まる」を地でいく身としてはこのままではろくな留学にならないと。




で、長々書いてますが、一冊目の本。

Ⅰ自然と文化
Ⅱ政治と経済
Ⅲ社会システム・政策

目次でわかるとおり、「研究したい人向けのハンドブック」という印象。
旅行する人とか、一般向けではありません。
日本のスウェーデン研究者が、それぞれの専門分野を簡潔に紹介した記事をまとめた本。

Ⅰ自然と文化
・自然を愛する国民。「自然享受権」が認められていて、私有地の森林を自由に散策できる。
・政治の参加意識が高い。投票率は8割(日本は6割)で女性議員比は45%ほど。

Ⅱ政治と経済
・ナポレオン戦争以降、180年以上戦争を経験せず
・1960年代に急成長、70年代に停滞
・国防は「武装中立」を堅持
・地方自治が経済理論に適っている
-地方税収は均一課税
-地方税収の過半(県:7割、市:6割)が独自財源
-県の支出は保険・医療が8割、市は社会福祉5割、教育3割、環境衛生1割弱
・集権的な労使関係
-組織率は8割ほど
-連帯的賃金政策(同一労働均一賃金)
-連帯的労働政策(能力に応じた労働・賃金)

Ⅲ社会システム・政策
・高校・大学に入試試験はない
・報道の自由を最初に認めた国
・労働市場の48%が女性で、逆M字カーブを描く
・環境負荷をすべて数値化している

「しかしながら不合理が認識されてから制度改革に踏み切る速度と、成果を確実に蓄積していく堅実さは見事である。情緒論や感情論でブームが煽られながらも、一時の感情が去り、冷静に成果を検討してみると、一歩なりとも改革が進んでいなかったことに気づくというのはスウェーデン流ではない。とにかく確実に成果を根気強く積み上げていく技法こそスウェーデン流デモクラシーである」

「中央環境審議会が『スウェーデンの環境負債』を公表した当時のオロフ・ヨハンソン環境大臣は、一連の負債リストを公表する際に『価値あるものはすべて価格を有する。環境問題の核心は、誰に、どの時点でどのようなやり方で環境汚染がもたらす社会的費用を強制的に負担させるかだ』とスウェーデンの環境政策の核心を語っている」


印象に残ったのは、この2つ。

すごく直感ですが、スウェーデン社会の本質は「マスメディアと経済学」ではないかと。

メディアの適切な情報提供力があればこそ、国民の政治参加意識も高まる。
経済学の論理があればこそ、合理的な分権体制や環境負荷の内部化ができ、自律的になる。


という仮説を元に、もうちょっと読んでみます。










『料理の基本 (ORANGE PAGE BOOKS 男子厨房に入る)』(オレンジページ)













「男子厨房に入る」。


そのフレーズとビジュアルのきれいさ&シンプルさに衝動買いした本。

料理をやる男性が好みそうなレイアウトと内容で、
「いいところ突いてくるなあ」とマーケティングの極みを見ました。


シリーズものの中の一冊。
素材ごとにきり方や使い方や旬などを簡単に解説しています。
特に魚のおろし方は写真が多くて大きくてわかりやすい。

きちんと基本を学ばないと何事もだめなのです。

たまねぎの切り方とか、自己流でやっていたのですが、合っていて安心しました。




料理って、素材が一緒でも、作る人によってメニューも味も違うんです。
当たり前ですけど、なんだか面白いですよね。



一ヶ月に一度ぐらいは料理会したいなあ。




2008-08-07

お料理会










「いつ頃から料理やってるんですか?」



考えてみれば、小学校高学年ぐらいから、何か作っていたような・・・。
母が企画した子どもに料理をさせるイベントみたいなのに参加していたんですね。
考えてみれば、いまだに続けている活動の中で一番キャリアがあるかも。




昨日は就職先の内々定者数名と一人のお家を借りての料理会でした。

「壮行会」の名目で、ネタでリクエストしたら採択されたのでした。

そう、僕が作るんです。






最近、真剣に「趣味は料理」で生きていこうかと思っていて。

趣味は人脈の幅を広げてくれるし、料理であれば農業と親和性が強いし。
料理はPDCAのサイクルが短い(し結構評価しやすい)ので学びも多いし、作ると安いし、おいしいし。

みんなが自然に褒めてくれるんで、作ると上達するんですね。



この間サークルの合宿で「味よりも見た目が重要」なことに気がついたので、
目下「見せる料理」を勉強中なのです。大勢に振舞うのは上達の近道ですね。



で、このメニュー。写真はいまいちですが、好評でした。
個人的にも満足の味だったので、まあよし。


①自家製ピザ・・・生地から作りました。
②トマトとキャベツとほたてのサラダ・・・キャベツが大量に家にあったので。
③キャベツと豚肉のおつまみ風サラダ・・・居酒屋メニューの再現。
④トマトとたまねぎのサラダ・・・定番の「これおいしい」ですね。
⑤チーズケーキ・・・写真に出てませんが、いつものやつです。


②が微妙でしたが・・・。今後は素材orientedで作れるようになりたいですね。



壮行会ということで、みんなが本を4冊プレゼントしてくれました。

・・・先月初めて会ったばかりだよ???



みんな話題は尽きない(ようにしゃべる)し、指示しなくてもてきぱき動くし、やさしいし、頭もいいし、
さすが内々定者だなあ、となんだか感慨にふけりましたとさ。



料理会、またやろー。




2008-08-05

It's so nice to see you ageain.

失ったもの、得られたもの。



今日は、午前は昔所属していたサークルの友人とキャンパスツアーのガイド役をやり、
夕方は同じく昔所属していたサークルの先輩と内々定祝いをしました。


・・・ああ、この感じ。という感じ。


考えてきたことも、考えていることも、考えそうなことも、
全部わかりそうな、わかってくれそうな人って本当に本当に貴重ですね。
いてくれるだけで「ありがとう」という感じです。



いままで、失ったものばかり考えていましたが、得られたものだってあったんだなあ、と。
一昔前を思い出したり、出さなかったり。
そういえば、そんなときもあったんだよなあ、とか。



料理はおいしくて、プロの技を感じつつ、感激しきりでした。
あまり食にはこだわらない人なのですが、やはり料理がおいしいと会話が違いますね。
シェフに感謝。


小学校でも、中学校でも、高校でも、
得られたものは「友人」と作文に書いてきた自分ですが、
やっぱり大学で得たものも「友人」なのかもしれませんね。




It's so nice to see you ageain.
=またお世話になります。お久しぶりです。


会話を感じよく終えたいときに使うらしい。英語もやらんとね。










2008-08-03

Choose a wife by your ear rather than by your eye

伝わるものと伝えたいもの。



31日、大学のオープンキャンパスで、高校の後輩の宿泊先でお話をしてきました。
1日、銀座で、高校の(文化祭の)先輩に就職祝いをしてもらいました。


・・・変わったのかなあ、と思ったり。


31日は吉祥寺のホテルの会議室で後輩51名に対して先輩7人ぐらいで説明会。
ふたを空けてみたら、うちの大学の文系代表で話すことに。僕が一番年上なんですね。苦笑

大学の魅力とか、楽しさとか、思わず入学したくなることを伝えるべきだったのですが、
「目的意識がないと大学に入る価値なんてない」とか言ってしまいました。
僕が最初だったので、みんなそんな風な話に。いや、本当にすみません。


・・・5年前にそんなことを言ってくれる先輩が欲しかったなあ、と思って。



1日はお祝い。

文化祭の先輩です。もう、一生お世話になる先輩方ですね。
みな東京に就職したとは、不思議な話。

「丸くなったねえ」と言われ、やせないとなあ、と思いました。笑
そういえば、入学から10キロぐらい増えている気がします。
最近3キロぐらい落ちたのであと4-5キロはいけるのではないかと。

いや、やさしくなったのかもしれない。






自分の今を見てそれぞれの将来を想像する後輩たち。
それぞれの今をみて、将来を想像する自分。




今の自分って、過去と未来のどっちなんでしょうね。



先輩好きの後輩嫌いだったのですが、後輩と話す意義に気づくこの頃です。













2008-08-02

『独創は闘いにあり』 (西澤潤一/新潮文庫)

















独創と基礎。


高校OBの本です。
現在仙台二高の同窓会長を務める西澤潤一先生。現在の首都大の学長ですね。

東北大学工学部の名誉教授。
「ミスター半導体」とか「光通信の父」の別名があり、日本より海外のほうが有名、らしい。

毎回実家に送られてくる同窓会報に、西澤先生のいかめしい感じのお話が載っているんですね。
気難しそうなおっちゃんだなあ、と思っていたのですが、非常にいい本で驚きました。


内容は自伝&「独創の生み方」。
生まれから研究者までの道のりとその後の数々の発明・発見をかなり詳しく書いています。
記憶が明瞭なんですね。すごく具体的。僕は電気工学は専門外ですが、何かが一緒です。

「俺はこんなに先進的な研究をやってきた」
「日本の学会はダメだ」
「独創とは基礎努力の積み重ねである」


驚くべきは、「問題意識」「仮説」「現場」という、政策立案と共通の言葉が登場すること。
やはりトップで挑戦している人が達する境地は一緒なのでしょうか。

彼はAA型らしい。
道理で感性が合うはずで、山本権兵衛が好きだと言ってました。




結局のところ、独創研究があるか否かの差は、ほんのわずかなもの、らしい。
既存の理論の積み重ねでは得られない壁にぶち当たる。
そこで「予感の持てる仮説」を立てられるか、が勝負の分かれ目になるそうです。

もちろん、既存の理論に反するものはたくさんの批判があるわけです。
その極限状況の中で、自分の頭でどれだけ考えられるか、そこで何かひらめけるか、が重要らしい。

「私の経験からいえば、どんなに大きな発明といえども、常にそれほど大きな飛躍があるわけではない。ごくごく些細な段差に気づいて越えるかどうかで、あとで決定的な違いが出てくる。ふつうの人は、このごくわずかな差に気がつかず見逃してしまう。その注意力は、現場でどれだけ試行錯誤を重ねてきたか、ということで修練される・・・その訓練の積み重ねが多ければ多いほど、緊迫したつばぜり合いに耐えて、目の前の事象を見逃さず、誤たず、判断することができる。いちはやく『わずかな差』を越えることもできる。そして、結果的に『巨大な差』をもたらすことになる。発明発見とはそういうものだ」

注意力(=目的)を持ち、それに通じる基礎(=過去の知識)をくまなく学ぶことで、些細な事象の中で「過去の知識」と「未来の知識」を選別することが可能になり、後者を明らかにすることが発明発見である、ということでしょうか。いわゆる発明発見とは、「作り出す」というよりも、「切り分ける」なんでしょうね。





小学校のころは東北大の工学部に進みたいと思っていた自分。両親も理系ですし。
ミニ四駆にはまっていたり、科学館の発明クラブに所属していたり、思えば理系人間だったんです。

小学校高学年~中学校にかけて、社会科や経済のような「世の中の仕組み」系に興味が出たので、
迷うことなく文系に進んでいましたが、理系に進んでたらどうなったのかなあ、と考える今日この頃。


やってることは違っても、考え方は一緒だった気がします。