2008-07-28

The strength of the chain is in the weakest link.

組織と人間。



「社会は気持ち悪いよ。人から仕事を発想するんじゃなくて、組織の機能に人をはめ込むんだ」

官庁訪問で言われた一言でしたが、最近になってこの言葉がアタマを駆け巡っています。

社会的意義から発想すべきか、個人の希望から発想すべきか。
答えは両方の中間なのでしょうが、それってきっと職人芸なわけです。
あまりじっくり話し合ってる時間がないわけです。



・・・団体運営って、やっぱり難しい。


もともと全体を見るとか、バランスをとるとか、色のないキャラクターが得意ではない、プレイヤータイプなのです。だからそれなりに勉強して臨んでいるつもりですが、それでも必要なことの1割ぐらいしかできていない。先天的にデキる人が羨ましい。


一人ひとり、意見が違って。
そもそもの視点が違うから、比べられない世界。
それを一つひとつ解きほぐして共通点を探していく作業。
ちらつく「作業効率」「価値の最大化」の言葉。

同質的な人間としか付き合ってこなかったツケが、今頃回ってきているようです。
自分はこういう立ち回りで楽しめているのか、組織に最大限貢献できているのか・・・。
悩みは尽きませんが、自分で検証してみるしか答えを出す方法なんてないし。



「一人ひとりが楽しんでいて、全体としても意義のある活動をする組織」

理想であり原点ですが、難しい。


マネージャーかプレイヤーか。
組織か人間か。

役人になるわけですけど、最近そんなことが悩みだったりします。
自分の専門も考えつつ。














2008-07-27

『会社はこれからどうなるのか』(岩井克人/平凡社)













資本主義と人間。


岩井先生の本です。神保町の古本市で3冊500円。即購入です。



本書を要約すると

「社会の差異性から利益を生み出すことで発展してきた資本主義は、グローバリゼーションの進行による世界の均質化によって、行き詰る。したがって今後の資本主義は、人間内部に蓄積された知識(もしくは人的資本)を差異性として発展するしかない。なぜならば人間には均質化し得ない意思があり、人的資本の発揮いかんは個人の意思によるためである。法人は、人的資本を囲い込み利益をあげる器として、今後ますます人間本位の形態に発展せざるを得ない」


てな感じ。


もともとは世界で5本の指に入るような数理経済学者。
数値モデルでごちゃごちゃやる理論系です。

そこから現代資本主義論や社会と経済の関係性の研究(貨幣論など)に移行し、現在は法人論を扱っているらしい。

で、その資本主義論(マクロ)と法人論(ミクロ)が実は一つのテーマにつながるのでは?とひらめいたことがきっかけで、この本を執筆したそうな。



サークル運営と農業経済の勉強をしていた自分も、これまでの経験がこの本で一つになりました。

で私の考えを入れると


「社会の差異性から利益を生み出すことで発展してきた資本主義は、グローバリゼーションの進行による世界の均質化によって、行き詰る。したがって今後の資 本主義は、人間内部に蓄積された知識(もしくは人的資本)と、自然条件を差異性として発展するしかない。なぜならば自然環境とは均質化しえず、また、人間には均質化し得ない意思があり、人的資本の発揮 いかんは個人の意思によるためである。法人は、人的資本を囲い込み利益をあげる器として、今後ますます人間本位の形態に発展せざるを得ない。加えて今後は、自然条件と人的資本の結合体である一次産業が資本主義を担う存在になるだろう



・・・都合よく解釈しすぎかな。ただ、理論的には正しい、はず。

卒業前に、岩井先生にちょっと議論を吹っかけてみようかなあ。




『ONとOFF』(出井伸之/新潮文庫)














趣味と経営とソニー。



最近、困っていることが。

・・・「OFF」になれないのです。


気がついたのは帰省中。何にもしないでいることができない。無目的な時間を過ごせない。

松島に行って、ヨット部のハーバー(活動中は沖に出ているので、戻ってくるのを待たないと会えないのです)を待っている時間に、「英語の問題集とか持ってくればよかったなあ」と思い、ふと我に返りました。
そういえば、官庁訪問中もしきりにTOEFLの単語帳をやっていました。

目的意識を持って生きようと思ってそろそろ3年。
料理、お茶、筋トレ・・・もちろん好きだからやっているのですが、それなりの目的があってやっている面もあるわけです。
そんなことにふと気づくと、そんなんでいいのかなあ、と思ったりします。
そんな合理的に割り切れる生き方でいいのかなあ、と。

どんなに楽しいことだって、つまらないときもあるし、飽きるわけですから。




で、読んだ本。

著者はソニーの元CEO。
VAIOやAIBOなど、ヒット商品の登場時からその後の停滞期にもトップを続けた方。
本書はその停滞期に社員向けに書かれたブログを一般向けにまとめ直したものです。
人柄は「冷静さを忘れない偉いおじさん」という感じ。
聞く姿勢と意見のある、カッコイイビジネスマンという印象。

内容は
「ソニーは自ら変革しなければいけない」
「こんな素敵な人たちとお付き合いしています」
「こんな趣味もあります」
の3つ。

軽く読める、本です。
各話のタイトルが魅力的なものの、内容はそこまででもありませんが。

ソニーって、特殊なわけです。
世界的な大企業でありながら、常に変革と挑戦が求められる。
「連続線上で考えられる部分と、技術革新などの非連続で考える部分が共存している」。

みんながソニーに求めているものって、売り上げや経常利益のような数字的なものじゃなくて
「わくわくする何かを創り出して欲しい」みたいな感覚的なもの。

それに巨大組織を束ねる経営者としてどう応えていくのか、は死ぬほど難しいと思います。

だからたくさんの本を読み、たくさんの人に会い、たくさんの趣味を持って、たくさんの練習をして、たったひとつ、経営をするんだなあ、と。


いろいろ納得しました。
別に、趣味と仕事がつながっていてもいいんですね。
最初は無意識でしょうが、彼は絶対に意識的です。

もうすこし、インターナショナルな趣味を持ちたいですね。












2008-07-26

『総会屋錦城』(城山三郎/新潮文庫)


















職人と経済人。


ご存知城山三郎の出世作。直木賞受賞作品のようですね。
一冊丸々『総会屋錦城』かと思っていたら、これは7つの作品集。意外と短い作品なんです。


70を過ぎて、病に体を冒されながらも「職人のように」仕事をやり遂げる総会屋のお話。
「職人のように」とは、利益目的ではなく、異常なまでの完璧さを求める、ということ。

総会屋とは、株主総会の空気を支配して、依頼者(経営陣、株主)の有利に議事を進行させる人間。
根回しから、法律の解釈、景気の読み、演説のうまさなど、要求される能力は政治家+官僚という感じ。
結構、すごいです。知識前提で描いているので詳しいし。

完璧な仕事への情熱という明るい部分と、あくまで闇の仕事であるという暗い部分が共存する部分が、
彼の描いた経済というものの本質なのかもしれませんね。


初期の作品なので、表現が丁寧で流れに淀みがありません。
が、人物描写が荒く、主人公すら「なぜこういう性格なの?」がわからず、顔が浮かばないのが残念。





2008-07-23

The chain is no stronger than its weakest link

地元への報告。



土曜朝から月曜昼まで、帰省していました。

大学受験でお世話になった予備校に寄って挨拶して、祖母とご飯を食べて、お墓参りをして祖父母、祖父に報告して、次の日は松島の母校のヨット部に挨拶に行って、その次の日に帰ってきました。

親戚はともかく、ほかは卒業後ほとんど顔を見せていなかったので、
ものすごくびっくりされました。

いや、顔を見せなかったんじゃなくて、見せられなかったんです。
降年したことを伝えるのが、後ろめたかったんです、よ。
報告したって、何だか申し訳ない気がして。




でも、報告したかったのは、就職先や席次とかではなくて。
なんだか自分自身変わった気がするという「かゆい」感じ。



「いままで何でも一番ばっかり目指していたけど、人間って順位のつけられないものなんだと思った。そんなことを忘れない人間になりたい。農業を相手にすると、そんなことを考えながら仕事ができる。だから農林水産省なんだ」




そんなことを話したら、母親がものすごく喜んでくれました。





仙台は涼しくて、珍しく夏バテして、風邪をひきました。

英語の勉強、します。






2008-07-15

じゃがいもとたまねぎの夏メニュー










じゃがいもとたまねぎ。


・・・が母親から大量に送られてきました。
あわせて10キロぐらいあるんじゃないでしょうか。
(しかもじゃがいもは男爵とメークイン両方入っているという丁寧さ!)
いや、使い分けるほど、レパートリーはありませんって。。。

果たしてこの東京で腐る前に消費できるのか・・・と思いつつ心配しても食材は減らないので
料理をすることにしました。で、このメニュー。

①夏野菜(など)のマリネ・・・家にあった人参・鶏肉を使って。
②じゃがいもとたまねぎのイタリアン風マリネ・・・送られてきたものを使って。
③ポテトサラダ・・・送られてきたものと家にあったパスタを使って。

ちなみに、②はウェブからのレシピ。
ジャガイモをゆでて、たまねぎと一緒にイタリアンドレッシングで混ぜるだけという手軽さ。神です。


作ったらすぐにタッパーに入れるというこの性格が、何だかいろいろ象徴していて怖いです。

まとまった時間ができたので、そろそろ家庭に貢献しないとね。






2008-07-13

Nothing is so certain as the unexpected.

人間って、どうやって作るんでしょうか。



いや、そういう意味ではなく、「ひととなり」ですが。。。




官庁訪問中、出会った素敵な人は、入省理由も素敵でした。

何事も「始める理由が、辞める理由」というのが持論な私。
何となく入ってはいけないのです。面白いではだめなのです。選んだ意味がないのです。
やりたいことが明確でなければ、そもそも公務員なんて受験していないのです。


なので、とりあえず現状の思いを語ってみることにします。

そもそも農業は、国の食料安全保障上、重要。
小麦や大豆の値段が上がると、現状ではどうしようもないのです。
もし戦争になったら、戦時中の生活に戻るしかないのです。
特に今後資源や食料が外交カードになる中で、自給できることは外交戦略上、有利。
そのためには、農業界に他産業以上の資源が必要。特に足りないのは儲けようとする若者。



で、そんな中でヤリタイコトは、「農業界を活性化する」「儲かる農業を作る」「農業の国際競争力をつける」「若者が夢を持ってチャレンジできる業界にする」「産業としての農業再建」「農業のイメージを向上」「日本の外貨獲得手段に」・・・いろいろ語ってもどこかで聞いた言葉ばかりで薄っぺらいですが、要は「儲けたい人間が自然に入ってこれる業界にしたい」ということ。


農業って、すごい特殊。
だって、みんな儲からないことが前提で、農業が好きでかつ土地があるから農業をする。

これって、就職と真逆。
だって、みんなそこそこの収入が前提で、好きかどうかは二の次で、何もないから就職する。



産業である以上、やはり「儲ける」ことは重要で、「儲かってる」スターが数名でいいからいることが極めて重要。なぜなら、それを見て新しい人が参入してくるから。農業は生命産業だから儲からないという考えもありますが、それはあなたが考えることじゃない!

今までの農業政策は、「食とは国家の基本」という安全保障的な考えで、国の言いつけを守って、安全保障的に農業をやる農家だけを温存してきたのではないか。それももちろん重要だが、国の言いつけではなく、自分で判断し、自らリスクをとり、企業経営者として営農する農業者のチャンスを奪ってきたのではないか。それが制度上固定化され、農業業界の停滞をもたらし、現状のイメージの悪さにつながり、今があるのでないか?逆に言えば、イメージから変えられれば、産業は変わるのではないか?

とか思ったり。

1社でもいいから、楽天ぐらいの農業者を作りたい。
1団体でもいいから、日本財団以上の農業NPOを作りたい。
どの業界でもいいから、トップを農業関係にしたい。





何だか、いろいろすっ飛ばしてますが、とりあえず現状はこんな感じです。






A black hen lays a white egg.










食育イベントと笑顔。



今日は学生団体のイベントでした。
先月植えた小松菜を、収穫して、調理して、食べる、というイベント。
もちろん、主役は小学生です。規模は子ども5人・大人合わせて15人。


・子どもとの会話が意外と得意
・食育イベント、慣れてきたなあ
・大人(特にお母様)受けが素晴らしくよいみたい
・あくまで、サークル活動。


何ですかね。食育イベントは好きでも、専門家になりたいわけじゃないなあ、と。
でも、入省したらこんなことも仕事として認めてくれるんでしょうか。だったら天職だなあ。



「すっごい怖い顔して指示してるんだもん」


女の子に言われました。不安なときこそ、笑顔。これは課題です。

なぜか、キャバクラのボーイの気分がわかった一日でした。
あんな職場、意外にあってるかも。







More people know Tom Fool than Tom Fool knows.

人生、曲げました。



ものものしいタイトルですが、結論から言うと、進路が決まりました。

嬉しさ半分、悲しさ半分、てな感じです。
もうちょっと嬉しい気がしたんですが、何ででしょうかね。

引く手あまたの中から悩みに悩んで決断した・・・ということではなく、
「言いたいことを言っていたらここしか採用してくれなかった」というのが本音。

内々定をもらえなかったらと思うと正直ぞっとします。2年遅れてこのスタンスは強気です。
こういう綱渡りは、もう懲り懲りですね。。。


「ゼロベースでモノを考えられない。そうなったらおしまい」

「農業が好きなのはわかった、良くしたいのもわかる、だけどそれが日本全体にどう役立つのか?」

「国民は何を求めていて、それが国家の発展にどう役立つのか、そして自分はなぜ他の人よりもその仕事にふさわしいのか」

「学生団体だと人から組織の役割を発想するでしょ?でもここは違う。もともとのfunctionが決まっていて、人を『はめ込む』んだ。気持ち悪いよ」

「話を聞いていても、the農水って感じだよ」

心に刺さったのは、となりの省での面接と待合室で読んだR25の中曽根康弘。










降年からそろそろ3年ですが、確実に何かが変わった、らしい。
自分の中の何かが、ようやく折れたみたいです。人生、曲がった気がする。

いろんな人に報告とお礼のメールをしました。

とにかく、これまでありがとうございました。
一丁前に、人にお礼が言えるようになりました。

これからは、趣味が仕事になるわけですから、死なない程度にがんばります。

がんばるのは好きだし、がんばってる自分も好きみたいなので。
















2008-07-07

『思考は現実化する―ナポレオン・ヒルの決定版成功哲学』(ナポレオン ヒル,田中孝顕訳/騎虎書房)













思考と現実。


その境目を埋めるべく、書かれた本です。
この手の本では極めて有名な本ですが、読むのは初めて。
こういうのが読みたいときってたまにあるんです。。。

読んで納得。・・・言葉が磨きぬかれていて無駄がない。
こういうエッセンスのエッセンスは、言葉に触れるだけで鳥肌が立ちますね。


かの鉄鋼王、D・カーネギーの成功哲学(金持ちになる力?)をまとめた本。
著者のナポレオン・ヒルは単なる編著者に過ぎないのですが、本を書くことで成功哲学を学び、
自らも大成功します。そんなノウハウがぎゅっと詰まった本。

で、結論を言うと、「成功哲学」とは「明確な目標と計画を定め、達成を信じ込ませること」。

①目的を定める
②詳細な計画(目標、期限)を立てる
③目的が達成できることを信じ込ませる

重要なのは③.
紙に書いて、毎朝2回以上、声を出して読むそうな。
宗教チックですが、確かに、これは重要です。
何か明確な目的があると、日常生活がその目的に沿って再構成されて見えるんですね。
要は、完成が研ぎ澄まされるため、「学び」が増える、というカラクリ。


浪人以来、やたらネガティブな自分ですが、それは良くないなあと思う最近。
思考の切り替えが最近の課題ですね。








2008-07-06

夏バテ対策











夏バテ対策メニュー。



久々のゆったりな日曜日なので、
お弁当用のきんぴらとひじきを作っていたら、「夏バテ気味で具合悪い」との妹の声。

暇だったので、買い物に行って、料理を作ってあげました。
食べたら「元気になったぁ!」そうな。食事ってすごいもんですね。

メニューはうなぎと、夏野菜と鶏肉のマリネ。

マリネは、お肉は油で揚げて、他(ズッキーニ、ナス)はグリルで焼いて、
トマトと、酢醤油で絡めて終わり。
本当はにんじんが入って、トマトが入らないんですが、トマトは入ってたほうが絶対おいしい。

こないだ作って個人的にヒットだったので再チャレンジ。
焼いて入れると色がきれいで素敵なんですよねー。冷やすともっとおいしいはず。

夏になって、酢のものを食べたいこの頃。
もうちょっと料理もうまくなりたいなあ。。。