2009-05-31

『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践』(勝間和代/ディスカヴァー・トゥエンティワン)




真面目だなあ。。。



というのが感想。ここまで何でもかんでも○○力にするのもどうかと思いつつ、「あ、これできてない」と思う自分が術にはまっているなあと思うところ。

いわゆる勝間本。過去の著作で、「マッキンゼーにはフレームワーク集みたいなのがあって、毎日眺めていると自然とMECEがわかる」みたいなことをおっしゃっていたので、そんなきっかけで出版された本なのかもしれません。

本書の特徴は、Bloom's Taxonomyを使って、ビジネススキルをステップ別に並べていること。そして、フレームワークが21個紹介されていること。散々探してもフレームワーク集は意外とないので、これは価値のある一冊ですね。


本当に詰まった一冊。あまりに情報がありすぎて、元ネタを知らないと理解できないんじゃないでしょうか。古典をレビューしたい方にお薦めな一冊。


結局大事なのはskillじゃなくてwillだと思うんだけどなあ。。。


で、そのフレームワークがこちら。

①空・雨・傘
事実→解釈→行動

②3C
Campany, Customer, Competitor

③4P
Place, Product, Price, Promotion

④5W1H
What,Why,Who,Where,When,How

⑤PDCA
Plan, Do, Check, Action

⑥顧客分布
何事も、サービス需要者は普及時期ごとに、一定割合で5層に分かれるということ。
innovators:25%
opinion leaders:13.5%
early majorities:34%
late majorities34%
lagard:16%

⑦製品進化のトライアングル
製品の差別化要因はは市場の成熟化に伴い、機能→チャネル→ブランド、の順に移り変わること。

⑧CTQ
経営版のHACCAP。critical pointを見極め、あげる。

⑨戦略キャンパス
戦略の可視化。縦軸にレベル、横軸に競争要因。ブルーオーシャンが分かる。

⑩事業の優先順位付けマトリクス
自社の強み×市場の魅力度

⑪バリューチェーン
製品の流れ。
研究→開発→調達→生産→流通→販売→アフターサービス

⑫所得金額階層数の相対度数分布
世帯所得×世帯数

⑬人口分布曲線
年齢×人口

⑭will×skillマトリクス
will高×skill高:委任
will高×skill低:指導
will低×skill高:激励
will低×skill低:命令

⑮SWOT分析
要素(プラスマイナス)×要因(自社×環境)

⑯five forces
rivalry
the threat of substitutes
buyer power
supplier power
barriers to entry

⑰7S
hard:Strategy, Staff, System
soft:Shared value, Structure, Style, Skill

⑱時間の使い方マトリクス
重要度×緊急度

⑲PPM
市場成長率×市場占有度

⑳VRIO分析
value, rarity, imitability, organization

21水平思考の6つの帽子
fact
emotion
critics
optimism
criativity
over look


メモ


・論理パズルを解く
・日常現象から仮説をつくり、ブログに書く
・水平的思考力を磨く
・フォトリーディングを身に着ける
・統計を読む。
・数で常に考える。
・イメージをカラーにして説明する。
・言葉で説明する
・比喩を意識する
・辞書を引く癖をつける
・インターネットの情報をフレームワーク化する癖をつける
・三毒の追放(怒り、ねたみ、愚痴)





2009-05-30

『日本「復活」の最終シナリオ-「太陽経済」を主導せよ』(山崎養世/朝日新聞出版社)



太陽経済


=太陽光発電のエネルギー供給が中心の社会、です。

何がよいかといえば、二酸化炭素はでませんし、世界中ほとんどどこでも発電できますし、何より太陽なので、無くならない。使えば使うほど希少性が高まる一般的な財の性質に反して使えば使うほど安くなる、という夢のエネルギーが太陽光発電、らしい。

①地域が自立し、地場産業が価値を生み出す日本にする。そのために高速道路を無料にするなど、東京との各種インフラ格差を縮める。また行政の分権も進め、権限・財源を移管。

②日本のカネと知恵と技術でアジアに貢献。具体的には、中国・インド企業に投資する、格差是正の行政運営制度を輸出する、エコ技術を使ってもらう。


やはり①と②はうまくつながらないのですが、基本的に同意見。

日本は円高になったので省エネ国家になったが、中国は人民元がむしろ下がっていたのでエネルギー浪費国家になってしまったというのは、目から鱗の指摘(常識なんですかね???)。

一度話を聞いてみたいですね。



『7つの習慣 最優先事項―「人生の選択」と時間の原則』(Stephen R. Covey,et al/キングベアー出版)



First things first.


原題を翻訳すれば「重要なことから始めなさい」でしょうか。
自己啓発書?のベストセラーである『7つの習慣』をいかに実践するか、という視点で書かれた実践手引き、のような本。

ついこの間まで、フランクリン・プランナーを使っていたのですが、毎日タスクを出して優先順位をつけてこなす日々は、どうも「生きづらい」という感覚があり、原則から攻めてみようとGW中に実家付近のブックオフで購入したのでした。(ちなみに、『7つの習慣』を具現化したものがフランクリン・プランナーなのですね)

で、読んでみて「ああああああ、確かにこういうこと書いてあったなあ」と過去の読書記憶の定着の悪さに愕然としたのでした。で、ポイントは3つ。

①生き方の原則はすでに決まっている
②大きな石から入れよ
③自立から相互依存へ



人間には生きるために4つのニーズがあり、この4つがバランスよく満たされていないと、ちゃんと生きられない。生きるうえでの前提。

・生きること:衣食住。睡眠とか運動とか。
・愛すること:家族、恋愛、友達
・学ぶこと:知識を蓄える、能力を高める
・貢献すること:自分の力を使ってほめられる


で、加えて人間には4つの独特の能力がある。

・自覚:分析力(何が起きているか理解する)WHERE
・良心:価値観(何が正しいか知る)WHY
・自由意志:決断力(何をするか決める)WHAT
・想像力:目標設定の力(何をするか考える)HOW(WHEN)


②そのためには、日々「緊急じゃないけど重要なこと」を行う必要がある。毎日ではなく、週単位で週の計画作成時に時間を確保することが重要。

③で、その結果、自立的な生き方が相互依存の生き方に変わる。大きな違いは、自分の能力を他人のために使うこと。



「原則は決まっている」という考え方が意外でした。というのも人は一人ひとり価値観が違うので、正しさも違うと思っていたのです。が、そういうわけではないんですね。

週単位の目標設定の意義も理解。

最近、かなり自己中心的な生き方になっていて、とてもとても反省していたのですが、それは次のステップの前の1ステージだったのだなあ、と思い、少し安心しました。


ちゃんとウィークリーになってる手帳が欲しい。。。


『生き方―人間として一番大切なこと』(稲盛和夫/サンマーク出版)



「なんまん、なんまん、ありがとう」



京セラ創業者の稲盛和夫が自らの生き方の指針について書いた本。
先日、稲盛さんの本を読んでとても共感するものがあったので、もう一冊読んでみることにしました。

結局「人として正しいことを、常に行いなさい」というだけ、です。


当たり前のことを言うことは簡単ですが、実践するのは難しい。本当に実践したものだけが持ちえる厳しさが文面からひしひしと伝わってきます。会社の経営をする中で、「正しく生きる」ことの意味を再確認したのでしょう。個人的には「思考は現実化するが、そのイメージがカラーで鮮明にならないといけない」と、仮説思考のビジュアル化を提唱している点が興味深いのですが、それは細かいお話。

・・・ここまでくると、人間として完成しているなあ、という印象です。


結局、「何が人間として正しいのか」をだれが、どう教えるか、ということが本質的な問題なのだと思います。おそらく親でしょう。いまの日本に素敵な生き方をする人間が減ってきたのであるとすれば、問題の本質は学校だけではなく、家庭の中にある気がしてなりません。



3年前、一度購入して、読まずに処分してしまった一冊。
ようやく読めるようになりましたね。




2009-05-23

『[実学・経営問答]人を生かす』(稲盛和夫/日本経済新聞社)




人を生かす。



そういう言葉が、割と好きです。

現代の名経営者、京セラ創業者の稲盛和夫氏の一冊。
彼は盛和塾、という経営者のための塾を主宰していて、その中の問答をまとめたもの。

これは中小企業経営者のための経営相談会のようなもの。中小企業の社長(大概が創業者の2世や3世)が「うちの会社は資本金○○、売り上げ○○で、従業員○○員。現状の課題は○○だと認識していて、○○という目標設定をして、○○という予定でいる。企業は市場の資本の最大化を図らなければ行けないと考えているが、何か意見あります?」みたいな、自信満々の社長たちに対して、バシバシと斬っていくのがこの本。

「あなたは頭はいいかもしれないが、現場の従業員を見ているのか?社長自らが現場に行って、何度も何度もうるさく指導しないと絶対にコストなんて削減できっこないんだ」みたいな厳しい発言が飛び出す中に、稲盛さんの経営者としての自分への厳しさと、他人へのやさしさを感じることができます。

教科書的ではないので、古典として残ることはなさそうですが、でもいい経営書のひとつ。






『平成維新〈PART2〉国家主権から生活者主権へ』(大前研一/講談社)



「国家主権から生活者主権へ」


初版は1992年6月当時は宮沢内閣で、その次が細川内閣。

・・・驚くほど最近の話題と一緒。


大前研一がすごいのか、日本の政治がダメなのか、どうなのか分かりませんが、
確実なのは、20年近く、いやきっとずっとその前から、政治改革の議論は一緒なんだなあ、ということ。これは農業も一緒です。

政治も、農業も、もう先送りにはできないでしょう。








『やりたいことは全部やれ!』(大前研一/講談社)



自分への責任、家族への責任、社会への責任、日本人であることの責任――



確かに、やりたいことを全部やってるなあ、と思うのが大前研一。
そういう生き方の秘訣・・・というよりも、彼の人生自慢の一冊。
引越しの際に移動した本が実家にあり、その中にまぎれていて、GWに息抜きに読んだ一冊。

最近、オオマエケンイチ化してきたなあ、と思うこのごろでした。