2008-06-12

『戦後日本における柑橘産地の展開と再編』(川久保篤志/農林統計協会)













みかんが熱い。


ゼミの発表が柑橘農家の経済分析(の論文を紹介)だったので、読んだ本。
4,5冊見ましたが、これがずば抜けていて「専門書とはこういうものか」と唸らされました。

本書の構成は先行研究のレビューと分類、テーマの設定、テーマにあう具体例の調査報告、まとめ、とオーソドックスな形態。内容や何がポイントなのかが非常に分かりやすい。抽象的な言葉も、具体例を踏まえていると説得力が違います。

印象的だったのがテーマそのものの、柑橘農業の再編過程。

昔、みかんは凄く儲かる作物だったのですね。

1972年に生産量がピークを迎えますが、その後消費の減少や輸入自由化(オレンジ・果汁)によって産地が衰退・再編していったという過程が興味深い。今はピーク時の3分の1ほどの生産量なのですね。現在は生食用に高級志向になっていて、輸入オレンジやグレープフルーツと十分にすみ分けているのですから凄いものです。

コメも自由化すればいずれこうなるんでしょうが、先生いわく「みかんは耕作放棄しても森になる(多面的機能が維持される)けど、コメはそうならないから問題だよね」とのこと。


確かにね。コメはやはり難しい。














No comments: