2009-02-08

『シカゴ・ブルズ 勝利への意識革命』(Phil Jackson (著), Hugh Delehanty (著),中尾 真子 (訳)/PHP研究所)



「姿なきリーダーこそ偉大である」



「バスケットの神様」マイケル・ジョーダンの成功の影には、優れた監督がいた――。そんな文句で昔インターン先の先輩から紹介された一冊でしたが、ジョーダンのおまけだなんてとんでもない。とにかく、最近いろいろと悩んでいたことを吹き飛ばしてくれた、自分の人生を変えた一冊となりました。


著者のフィル・ジャクションは元NBAのプレイヤーで、11年間プレイし、チームを2度の全米制覇へ導いた人間。彼がバスケットボールをプレイする中で感じたのは、「無になること」の意味。自分をアピールしたいとか、相手に勝ちたいとか、多くのことを考えず、ただただプレイに没頭する。すると、試合の流れが見えるようになり、結果的によい成績が上げられる、らしい。

それを応用したのが彼の監督業。NBAって、エゴイスティックな人間が多いんです。華麗なプレイを見せたがり、観客もそれを望む。しかし、バスケットはチームプレイであり、一人がどんなに優秀でも、勝てるとは限りません。そこで、彼はあえて自我を消すようなフォーメーションをチームに導入します。個人プレイではなく、みんながプレイする。みんながリーダーとなり、すべての人間が動くフォーメーション。すると、何かのきっかけで相手チームに隙が生まれた瞬間、そこにボールが回る、シュートがきまる・・・勝てる。それと同時に信頼関係も育まれる。お互いがお互いを尊重し、尊敬する。それが更にいいゲームへとつながる・・・ブルズはそうして3度続けてチャンピオンに輝いたのです。


なんか、いろいろ重なってしまい、涙が出そうです。
この本には、スポーツに限らず、組織のマネジメント、生き方の多くが詰まっている気がします。自分が何をしたいか、ではなく、自分に何ができるか、なのです。真のリーダーとは、リーダーをなくすことであり、真のマネジメントとは、マネジメントをしないように人を育て、仕組みを作ることなのです。












No comments: