2009-02-25

『人生の短さについて 他二篇』(Lucius Annaeus Seneca (著), 茂手木元蔵 (訳)/岩波文庫)




「それゆえ、われわれが知ろうとするのは、一体何を行うのが最善であるか、ということであって、何が最も多く世の中で行われているか、ということではない」



「人生の短さについて」
「心の平安について」
「幸福な人生について」

読書は量ではなく質だなあ、と今更思って、本を買うのは控えようと思っていたのですが、
この表題を見て、いろいろ悩んだ挙句、やっぱり買ってしまいました。
別に読む必要はなかったけど、読んでよかったなあ、という一冊。


セネカ(ルキウス・アンナエウス)は前5/4年-後65年のストア主義者であり、政治家。
ネロ帝の家庭教師であったことでも有名な人。

著作の多い人で、この本はその中の冒頭の三篇を収めた本。
友人に当てた手紙から構成されていて、基本的に(自戒を含めて)雑多な日常を、いかに生きるか、という主張。
基本は「自分自身を強く持てば、回りのことなんかどうでもよくなるんだよ。だから自分を鍛えなさい」という感じ。
いかにも哲学者ですが・・・最近はこういう感じです。

そういえばストア派とかエピクロス派とか、覚えたなあ、と妙な懐かしさを覚えましたが、まさにその時代。

彼は、結構野心的な人だったんですね。政治家に睨まれ処刑されそうになったり、ネロ帝に加担して彼の母親を暗殺させたり
・・・結局彼は最期は処刑されます。

ストア派の素養がありながら、政治という私利私欲が渦巻く世界に身をおいた人間。
そんな彼の(理想の)生き方。


なんか、中庸や論語とあまり変わらないですね。

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