「批判するにせよ、支持するにせよ、まず必要とされるのは正しい実態認識である」
東京で開催された第21回国際農業経済学会のために英語・日本語で同時出版された一冊。
そうそうたる面々の論文集ですが、偏りがない主張で、網羅的で、科学的に検証しうる範囲での最大限の概論を貫いていて読みやすい、という印象。戦後の農業の歩み、食糧消費の変化、農協の役割、ムラや地域社会などなど、「日本のここを理解してほしい」という海外の農業経済学者への意見が垣間見えるようで、とても勉強になりました。
印象的だったのは「工業立国である日本にとって、比較劣位になる農業はどう頑張っても衰退せざるを得ない」との主張。確かに。
一方、「なぜ日本に農業が必要なのか」については、驚くほど主張が平坦です。科学的でない印象。
きっと、学問や科学的に割り切れないところに、根底の意識があるんでしょうね。
でもそこを論理にしていくのがこれからの仕事。
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