2009-03-02

『ツァラトゥストラはこう言った 上/下』 (Friedrich Nietzsche (著), 氷上英広 (訳)/岩波文庫)



「あなたがた創造者たちよ!この『・・・のために』を忘れることだ。こうした『・・・のために』『・・・の目的で』『・・・の理由で』などでは決して行わないということを、まさしくあなたがたの創造の徳は要求しているのだ。こうしたいつわりの小さな言葉に対して、あなたがたの耳をふさぐべきだ」



「教養豊かな知識人」に憧れて、手に取った一冊。
話の折にニーチェが出てくるとわからなくなるし、はるか昔に友人から紹介されてもいたので。

よく分からないなあ、というのが感想。
が、すごいことだけは分かる。考えすぎ、詰めすぎ、構成しすぎ、分かりにくく書きすぎ。でも、すごい。


きちんと理解できない。たぶん1%も読めてないんだろうなあ、と。ドイツ語も分からないし、ゆえにルター版の聖書も読めないし、ショーペンハウアーも知らないし。教養を深めるということは、本当に暇な人か、頭がよくて余裕がある人にしかできないことなんですね。

超人、永劫回帰・・・もっと自然に、楽しく、何度生きても良いように生きる、みたいな概念はそれとなくわかるのですが、そんなのは解説書を読めばいい話。
ニーチェ本人がよく分からんのです。

何のためにこれを書くのか。彼は誰に何をしてほしいのか、何がしたいのか。
これを書くことで、あれだけストイックに思考する彼の何が満たされたのか。
どれだけの勉強量と、思考の鍛錬をしているのか。
そんなに、やすやすと書けるもんじゃないんですから。ありえない切れ味ですよ。


きっと哲学をやるよりも、子育てするほうが、人間についてよく分かるんでしょう、ね。
昨日たくさんのちびっこと触れ合って、すごく思いましたとさ。




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