2009-03-10

『マネー力』(大前研一/PHPビジネス新書)



ファイナンス、マジでやらないと、やばいかもしれない。



お前ら、国債残高がGDPの2倍近くある国の通貨なんて持ってていいのか?円はお金じゃなく、単なる地域通貨なんだよ。常識的に考えて規律のあるユーロのほうが信頼できるに決まっているだろ?高度経済成長期とその後のバブルに侵されて、日本はすべてが腐ってるんだ。大学の教育なんて無意味。これからはITと英語とファイナンスを勉強しないと、気づいたら負け組みだぞ。

・・・てな結論。後半は自分のBBT大学の講座紹介なのでちょっとがっかりですが、「本当にそうですよね」という感じ。基本的に、賛成です。

ユーロのみが規律ある国際通貨であり、今後はその価値を増すはず、というのはそれだけで考えれば確かにそのとおり(財政赤字がGDP3%以下、債務残高GDP60%以下でないとユーロを導入できず、もし離脱すると通貨の信用が極度に落ちる可能性があるので、結果的にどの国も財政規律を守り、通貨価値が安定しうるということ)ですが、柔軟な財政政策が行えないというデメリットもあるわけですから、一概にはいえないはずです。まあ、財政政策の有効性を疑うなら確かにポートフォリオ理論的に、合理的ですけど。

と細かいことはいいとして、「国民よ、賢くなれ」というのが本書のメッセージ。
提案はミクロであればミクロなほど意味を持つと思っているので、これはいいですね。
勝間和代は大前研一である、と書いてあった記事をどこかで見ましたが、これを読む限り、本当にそうでしょうね。


思ったのは、「ああ、見ている層が違うんだろうなあ」ということ。
いわゆる「ファイナンス」の視点なんでしょうか。自分の頭に、こういう考えができるソフトウェアが入ってないのです。見えないものに毎日翻弄されているようで、最近、とても気持ち悪いのです。経済理論に基づく政策提案はそれなりに理解できるのですが、はっきりいって、それ以外は理解できないんです。。。すみません、ミクロ経済学だけやればとりあえず経済学部と言えると思った自分が愚かでした・・・。ということで、将来の勉強の仕方を変えますね。


驚かされるのは、彼が世界各国の現状を生で見て、体験として語っていること。
理論がわかり、現実が見え、そこから自分で考えられる、というのは基本的ですが、王道ですね。

そういう風に、考えられるようにならないとね。











No comments: