2009-03-26

『牛丼を変えたコメ―北海道「きらら397」の挑戦 』(足立紀尚/新潮社)



競争と革新。



まさにプロジェクトX(古い?)の一冊。
今はもう有名になったきらら397の開発史を辿ったノンフィクションです。

明治期より、稲作には向かないといわれ続けてきた北海道。
もともと亜熱帯産のコメを、品種改良を重ね、冷帯での生産を可能にした、そんな偉人たちの汗と涙がつまったお話。

しかし、物語はそれで終わりません。
時代は下り、生産調整開始へ。いわゆる「減反」です。いくら美味しいコメを作っても、需要がなければ売れない。。。そこで、ホクレンが考えたのが牛丼用にきららを売り出すという戦略だった(らしい)のです。

競争もなく、のほほんと過ごしてきた、といわれる戦後稲作ですが、産地&品種というまとまりで見れば、それはそれは熾烈な争いが繰り広げられてきたのだということがわかります。競争に勝って得たものは、いったいなんだったのでしょうか?








No comments: