2008-10-04

『農林族―田んぼのかげに票がある (文春新書) 』(中村靖彦/文藝春秋)














政治と農業。



タイトル通り、農業と政治家の関係を扱った本です。

「どうしてこんなに分かりやすいんだろう」というのが感想。そのぐらい、政治を通じて農業政策の変遷を辿るとわかりやすい。思えば農業経済学の教科書には政治がほとんど登場しないんです。だから経済的な要因で全てを語ろうとするのですが、どう考えても政治力学を駆使したほうが過去の政策の変遷が合理的に説明できる気がしてきます。


農業って、食料生産産業でも資源保全産業でもなくて、政治の駆け引きの道具だったんだなあ、と今更ながら理解しました。別に悪い意味で言っているのではなく、経済学的な軸だけでは決められない論理が存在している、ということ。


経済学的に合理的でないものはおかしいと思う反面、本当にそれが正しいのか、という疑問符もつきます。だって、経済学の論理に則ったら政治なんていらないんだから。


その論理が政権の存続ではなく農業そのものの存続を目指すものになっていればよいのですが・・・と平凡な感想で終わらせておきます。











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