4回目の読了です。
僕が役人を目指すきっかけになった一冊。いまだに彼は基本であり、理想です。
概要は、「出向してルワンダの中央銀行総裁になった日銀マンが、自ら経済改革を計画・実施し、奇跡の経済成長を成し遂げる」、という6年間のドキュメンタリー。もちろん実話です。
道に迷ったときに読む(ことにしている)のですが、
読むたびに新しい面で服部氏の凄さを見せ付けられ、向上心が沸きます。
結構ストイックに仕事をしているようで、「この地位があってこそ慕われるのだ」と考えているのですが、
ルワンダを去る時に「人として慕ってくれていたと分かって申し訳なかった」と考えたらしく、思わず目頭が熱くなりました。
それはいいとして、4度目の感想をいくつか。
①人の役に立とうとしない
・・・いろんな人の話を聞いています。ベルギー人の顧問からインド商人や現地法人の取締役、ルワンダの役人や農民・・・だけど「特定の誰かのために」働いているわけではない。「ルワンダ人のため」という究極の目的は揺るぎませんが、個人のために便宜を図るようなことはほとんどない。それは、半年ぐらいルワンダをつぶさに観察して、ルワンダ人は勤勉であり、無駄な規制を排除すればきっと発展するという確信を抱いた結果、「適切な制度を適切に作る」ことを自身の仕事にしたからです。不満を言いにくる人がいても(大抵は能力のない外人商社のお偉いさん)「もし君に適切な能力があればそのような不満が出ないような仕組みを作るから、待っていなさい」という感じ。甘えがない。
②ミクロな数字で考える姿勢
・・・制度構築に当たって、影響を1社1社のレベルで考えている。たとえば通貨切り下げの影響が、ビール工場でどう及ぶのかをコストをそれぞれ調べて利益と損益がどれほど出るのかを1商品ごとに計算している。はっきりいって、現場の人間よりも数字を知っているのです。読む限り、ビジネスマンとしても成功した人だと思います(なお、世銀引退後はケーヨーリゾートの社長に転身している)。
③たぶん、怖い人
・・・近寄りがたい人な気がしてきました。いわゆる「いい人」ではなさそう。もちろんそう努めているわけですが。人柄ではなく、能力で率いていく感じです。真逆ですな。
あと30年しても、このレベルに到達できるのかは謎。ですが、理想があるのはいいことですね。
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