2008-03-26

『非営利組織の成果重視マネジメント―NPO・行政・公益法人のための「自己評価手法」 』(P・F・ドラッカー、G・J・スターン 田中弥生訳/ダイヤモンド社)













非営利組織と営利組織。



内容はタイトル通り。

団体の評価って、どうしていますか?

一般の企業なら業績は利益で(ある程度)測ることができます。
しかし、非営利組織(NPOやNGOや組合やサークル)は、利益が目的でありません。
でも、評価できないことには改善も成長もありませんし、団体の価値が何かもわかりません。

そんな非営利組織のための評価方法を、理論とワークシートで具体的かつ丁寧に解説した本。
非営利と営利組織の違いや顧客の分類がわかりやすく、これほど本質に迫った本はないと思います。

ただ、自己評価はかなり難しいようで、特別の評価チームを作って半年ぐらいリサーチして
「2泊3日ぐらいの合宿をせい!」といってます。
が、現実的にそのコストはかけられないので、ここではエッセンスだけを紹介します。

①我々の使命は何か?
②我々の顧客は誰か?
③顧客は何に価値を見出しているか?
④我々の成果は何か?
⑤我々の計画は何か?

基本的に、この5つです。
綺麗にWHY・WHAT・WHO・HOWが入っていて、美しすぎます。

①使命について
・・・非営利組織の使命は「社会を変えること」もしくは(それを通じて)「人々の生活を改善すること」。
営利組織の使命が「利益を挙げること」「人を幸せにすること」「笑顔を集めること」であるのと異なり、「どう変えるのか」「善いとは何か」という明確な価値が必要になります。

②顧客について
・・・顧客には2種類いて、第1の顧客は直接対象になる人。第2の顧客が重要で、団体を応援してくれる人、価値観に共鳴する人。非営利組織は第2の顧客から資金を集め、第1の顧客に価値を提供するものなのです。

③顧客の価値について
・・・これは意図していることと、実現していることの乖離に気づくこと。営利組織でも一緒ですね。ここから新たなビジネスチャンスや事業の絞込みが生まれます。

④成果について
・・・これは評価軸です。①②③を健全に継続するために指標が必要なのですが、上から順にやっていけば自然に見えるでしょう。

⑤計画について
・・・これはそのままですね。





実は訳者はいろいろとお世話になった先生。
専門は評価論でしたが、その意味がわかりました。今後もお世話になりたいもんですね。





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