2008-03-25

『コミュニティ・オブ・プラクティス―ナレッジ社会の新たな知識形態の実践』(エティエンヌ・ウェンガー他/翔泳社)













大人のサークル入門。


大人のサークル入門、という感じ。

大人の、というのは、知識を核にして緩く繋がる、という意味。
学生サークルみたいに、専門を持たない学生が集まり、時間を使いまくるという感じではありません。
あくまで自分の専門を持ち、労力ではなく知識で成果を出す集団という感じ。

一年ほど前に知り合いから紹介された本で、長らく気になってはいたのですが、読んでおらず。
サークル運営についてちゃんと勉強しようと紹介してくれた人に借りて読了しました。

コミュニティ・オブ・プラクティスとは意訳すれば「実践する仲間たち」みたいな意味。

いろんな知識を持った人が、それぞれのメリットを感じてサークルに集まる、
そして全体として世の中に新しい価値(=知識)を生み出していく、そんな方法を紹介しています。

多少長く、重複がありそうなのが難点ですが、よく書いてあって事例も豊富で良い本です。
今までは『非営利組織の経営』(P・F・ドラッカー/ダイヤモンド社)ばかりでしたが、
他の本を読むと新鮮ですね。





ポイントは①コーデイネーターの必要性、②専門と役割の結束、③共通で刺激的なテーマ設定の3つ。


①コーデイネーターの必要性
・・・能力のある人が自然に集まり、コミュニティが形成されるのではないということです。そこにはみなを集めて、うまく運営する「コーディネーター」が独立した役割として必要。彼は一流の専門家であるというより、広く浅く知っている人間であることが重要だそうな。

②専門と役割の結束
・・・コミュニティの参加者は、自分の専門性とコミュニティ内での役割が一致していることが要件。要するに自分の欠点を補い合う集まりではなく、自分の長所を伸ばしあうのがコミュニティだということです。コーディネーターは参加者がうまく能力を発揮できる場所を作ることが求められます。

③共通で刺激的なテーマ設定
・・・専門家である参加者が集まるための「エサ」です。皆が刺激的に思えるテーマを設定し、設定し続けることで彼らの貢献を引き出さなければなりません。これは広く浅いながらも、世の中の流行をつかむ力がコーディネーターには必要ということですね。


ちなみに、コミュニティの目的には4つあるそうですが、1つ忘れました。
1、困りごとのお助け
2、ベストプラクティスの共有
3、イノベーション
4、???







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