「経営管理」の授業の過去問(この企業の生産ラインを改善提案せよ、みたいな内容)があまりに難しかったので、ヒントがないのかなあと探したときに見かけ、思わずはまってしまった本。
いや、完全に読み物として面白いんです。
内容は一言でいうと「私はこうやって博士論文(もしくは代表論文)を書きました」という体験談。
東大経済学部経営学科の著名な先生方(何故か僕は全員取材or授業を受けたことがあるのだから不思議です)が、自らの学生時代に戻って、どんな経緯で、どんな研究を、どんな風に作り上げていったのか、ということをなるべく研究手法を厚く(熱く?)、書かれています。基本的に経済学者というのは狭き門。それで東大にいるのですから、よっぽど凄いのです。ということは必ず、何かスペシャルな体験なり経験があるわけで、読み物として必然的に面白くなるわけですね。
爆笑なのは高橋伸夫先生。さすがにベストセラーを書いた人の筆力は圧巻で、学者とは思えません。彼は別に経済学部OBでもありませんから、やはり研究成果にオリジナリティーがあったんですね。
もともと「ぬるま湯的経営」の研究が、実は単なるお遊び的な意味で始まったこと、学会の重鎮たちに馬鹿にされてムキになって研究を進めるうちに、エレガントな結果が得られていったこと・・・。学者の人生とは、「国のため」とか「こうなりたい」とかではなく、単純に「楽しい」から始まっていて、凄く自然です。読んでいてここまで面白いものかということかとびっくりしました。
まあ、僕は研究者は絶対向かなそうですけどね。
ほかのタイトルのほうがきっと売れた気がします。
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