「アートディレクターの本質も、まさにそういうことです。整理することでいちばん大切なものを見つけ、磨き上げてデザインする。それがうまくいけば、見る人にメッセージを限りなく完璧に伝えることができる。つまり、僕のやっていることは、ブランドや商品と世の中とを結び付ける、コミュニケーションデザインの仕事なのです。」
広告って、そういうものだったのか・・・という衝撃と納得感。
それだったら広告も政策も一緒じゃないか、という妙な読後感を覚えました。
ベストセラーになった一冊です。
整理術なら間に合ってますと思って無視していたのですが、中身は問題解決の本です。もっと本質的に言えば問題「発見」の本。
①状況把握・・・情報をいろんな視点から集める
②視点導入・・・ある視点(仮説)で情報を並べてみる。優先順位をつける。
③課題設定・・・並び替えたものそれぞれに課題を設定する(=あとはそれをやれば解決)
デザイナーなので、③以降のロジには触れられていません。そういう意味では不完全でしょうが、でも本書のメッセージは具体的かつ鮮やか。良書ですね。
ちなみに、この本がハードカバーなのは彼のデザインでしょうね。ハードだと綺麗なまま整理されるから?
あ、「自然科学とは整理である」という言葉を思い出しました。
結局自然科学って何か新しいことを生み出すわけではなくて、現象を解明する。
それは整理であるというわけです。(といいつつそうじゃない、という方がおられたらごめんなさい)
ちなみに、経済学は完全に整理そのものですね。
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