農政の源。
今の農業政策の始まりの一冊。
「これまでの規模拡大路線は行き過ぎだ。農業・農村政策は一体的に。」みたいなことを最近はいわれますが、その路線がまさにこれ。
内容としては、「新しい食料・農業・農村政策の方向」(平成4年6月10日)の解説書。
ただしこれが「新政策」として、これまでの農業政策の基本方針となったので、法律でも政令でも通知でもなんでもないんですが、有名なのです。農政を「食料」「農業」「農村」と分けたのはこれが最初という噂。内容としては育成すべき農家像とその数(とそれに対する農地の集積目標)を明確にし、それに対して各種施策を講じるプロセスを築いた点が画期的。
農業者の高齢化、規模拡大の遅れ、貿易自由化への対応、環境問題への貢献・・・食品の安全性や多面的機能の解説など、現在当たり前のように議論されている論点がこのとき既に盛り込まれていたことは、当時の見識がすごいのか、現在の認識に進歩がないのか、どっちなのでしょうか?(執筆者の一人によれば)結構売れたとのことで、当時は画期的な政策だったことは間違いなさそうです。
当時は直接支払い(農家に直接(固定額の)補助金を払う)が時期尚早として見送られていたんですね。。。そのほか農商工連携が「地域内発型農林水産関連産業」といわれていて、なんだか奇妙です。生産調整は議論があいまいですね。
『戸別所得保障制度、そこが知りたい』を出したら、売れると思うんだけどなあ。
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