2009-02-26

『 イチロー 262のメッセージ』 ( 『夢をつかむイチロー262のメッセージ』編集委員会/ぴあ)



「『ただの野球だろ?』という気持ちは、昔は、ありました。今は、ないですよ」



尊敬するとある先輩に紹介された一冊。
かなり前に買って積読状態だったのですが、めくってみたら、今の自分に必要だったようで。

似てるなあ、と思っていたのですが、やっぱりそのようです。特に最近の性格が。


本書は「声に出して読みたいイチローのストイックな言葉集」という感じ。
世界最高峰で、さらに高みを目指して日々努力・進化し続けるイチローの秘密に迫るべく、彼の哲学を端的に表していそうな言葉を記者が選んでまとめたもの。やりすぎです。



問題はスポーツに勝ち負けがあり、政策立案にはないこと。
というか、「勝ち負け」ではないのです。。。


難しいなあ。


2009-02-25

『人生の短さについて 他二篇』(Lucius Annaeus Seneca (著), 茂手木元蔵 (訳)/岩波文庫)




「それゆえ、われわれが知ろうとするのは、一体何を行うのが最善であるか、ということであって、何が最も多く世の中で行われているか、ということではない」



「人生の短さについて」
「心の平安について」
「幸福な人生について」

読書は量ではなく質だなあ、と今更思って、本を買うのは控えようと思っていたのですが、
この表題を見て、いろいろ悩んだ挙句、やっぱり買ってしまいました。
別に読む必要はなかったけど、読んでよかったなあ、という一冊。


セネカ(ルキウス・アンナエウス)は前5/4年-後65年のストア主義者であり、政治家。
ネロ帝の家庭教師であったことでも有名な人。

著作の多い人で、この本はその中の冒頭の三篇を収めた本。
友人に当てた手紙から構成されていて、基本的に(自戒を含めて)雑多な日常を、いかに生きるか、という主張。
基本は「自分自身を強く持てば、回りのことなんかどうでもよくなるんだよ。だから自分を鍛えなさい」という感じ。
いかにも哲学者ですが・・・最近はこういう感じです。

そういえばストア派とかエピクロス派とか、覚えたなあ、と妙な懐かしさを覚えましたが、まさにその時代。

彼は、結構野心的な人だったんですね。政治家に睨まれ処刑されそうになったり、ネロ帝に加担して彼の母親を暗殺させたり
・・・結局彼は最期は処刑されます。

ストア派の素養がありながら、政治という私利私欲が渦巻く世界に身をおいた人間。
そんな彼の(理想の)生き方。


なんか、中庸や論語とあまり変わらないですね。

2009-02-23

きんぴらごぼうとひじきの煮物と大豆。



お弁当用。



3日間旅行で家を空けていたので、食材を使い切るために前日にお弁当のおかずをまとめて作ったのがこれ。
いやー、しばらくぶりに思いっきり作りましたよ。すっきりー。
小分けにして、ラップに包んで冷凍しておくのが、innovationなのです。
だって、これがあれば毎朝のお弁当作成時間が10秒ぐらい(ご飯除く)なのですから。

大豆は、便利なのでお弁当に入れませんがまとめてゆでて、小分けにして冷凍。
結構、使うんですよ。

午前中に、がしがし作っていたのですが、午後は妹が残りの食材をせっせと調理してました。
兄妹って、変なところが似るんですね。。。




2009-02-19

『星の王子さま』(サン=テグジュペリ(著),内藤濯(訳)/岩波少年文庫)



「さっきの秘密をいおうかね。なに、なんでもないことだよ。心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」



先日、家族で京都旅行に行ってきました。

「これは弘法大師が開いたお寺です。この塔は・・・五代目で家光時代に再建されたものですね」

「これは鎌倉時代に建立されたものです。これは四代目で・・・」

「これは平安時代の建立。一度火事にあって記録によればこれは六代目の・・・」


そんなのばっかり。
そりゃ数百年に一度ぐらいは火事やら地震が起こるでしょうから。


「なーんだ。新しいものなのか、がっかり」と思っていた最初。

思えば、こんなにコストがかかる建物を、何度も建て直させた「何か」ってすごい、ですよね。



大切なものは、やっぱり目に見えないんでしょう、ね。



2009-02-17

『人を動かす』(Dale Carnegie(著), 山口博(訳)/HD双書)



使う<動かす<<生かす



この分野では昔から有名らしい一冊。
昨今は勝間さんが紹介したりして、また売れているらしい。

3年ぐらい前、購入したのですが、処分してしまっていて、買い直してしまいました。
この本は、本当にいい本だなあ、と改めて思います。

そもそも初めてこの本を手に取ったのは、とあるきっかけで。
人を「使う」と言っていたら、「何を偉そうな。人を『使う』なんて言うもんじゃない。人は『動かす』もんなんだよ」と怒られたことがあり、それで購入したのでした。


と思っていたら、昨日、とある先輩に「人は『動かす』というか、『生かす』もんだよ」と言われました。そういう言葉が自然に出てくる人間になりたいですね。



『生きて死ぬ智慧』(柳澤桂子/小学館)



西洋=二元論、東洋=一元論、らしい。



般若心経の現代語訳です。

著者の柳澤桂子は、お茶ノ水女子大、コロンビア大卒の生命科学者。
慶応大、三菱化成生命科学研に所属し、「これから」というときに不治の病に冒され、研究人生を断念せざるを得なくなり、その後歌人や創作活動を始めた、そんな人。

40万部近く売れた本書は、そんな彼女の息吹みたいなものが伝わってくる一冊、なのでしょうが、僕が印象に残ったのは、冒頭の説明。


西洋的な人生論や生き方指南書は自分と世界を二元的に捉えていますが、現実には自分は世界に埋没していて、周りとの関係性の中で生きていかざるを得ない存在。東洋的な思想はすべてを一元的に考え、宇宙の根本原理から自分自身の生き方を同じ原理で語るので現実社会に近く、ゆえにわれわれにとっては役に立つ、のだそう。

これはビジネス書の世界でもまったくそうで、いわゆる外資系のハウツー本なんかは、二元的なんです。目的を定め、目標を設定し、優先順位をつけて、それに向かってコスト最小で向かう。他者との関係性からは独立で、単線的に物事を考える感じ。でも、僕らはキカイじゃないんだから、現実はそんなに簡単にいかない。だって、自分が動くと世界は微妙に「ずれて」いくんですから。

なんとなく思っていたことをズバリと当ててくれた一冊。
生き方もそうですけど、この人は立派ですねぇ。


『EQ―こころの知能指数』(Daniel Goleman(著), 土屋京子(訳)/講談社)




EQ=こころの知能指数。



IQとの対比で、情報処理のような機械的な能力ではなく、自分の感情を制御し、社会の中で効果的に順応して幸せに生きる力がEQ、みたいな感じ。人間には理性と感情の2つの自分がいて、感情はしばしば人生を踏み誤らせることがあるので、それを賢く制御していきましょう、みたいな。

『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』には賢明にも「読むべき本」リストが付いているのですが、そこで見つけて読んだ一冊。だって、どこのブックオフでも大抵この本は100円で売ってるんですから。

本書はEQの解説書、という位置づけで内容はややアカデミックです。
というのも、Why(なぜか?大脳辺縁系の働きとか)やWhat(実際にどうEQを使って人間行動が分析できるのか)を中心に記述してあり、how(じゃあ、どうすればEQを高められるのか)があまり書いてないからです。書いていたとしても、何か物足りない感じ。さらに、この手の翻訳本にありがちの、演繹的な構成。いや、具体例が多くて結論が少ないんです。

とはいいつつ、自分自身の心の微妙な変化を、アカデミックな見地から分析して、科学的に理解するには極めて役に立つ本のような気がします。教育に対する考え方とか、自分の思っていた直感的なものにすごく近くて、共感できました。おかげで読み飛ばしましたけど。。。

人間って、不思議ですね。




『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』(ロバート キヨサキ (著),白根美保子 (訳)/筑摩書房)



「知ってるか?世の中には2種類の人間しかいないんだ。1つは他人のために働く奴、もう1つは自分のために働く奴さ。さて、君はどっちになりたいんだ?」



そりゃ、「自分のために働く」ほうがいいですよねー。というだけの一冊。

具体的にお金を儲ける方法は一切書いていません。
何も書いてないけど、何でも書いてあるような感じの一冊。

もはや形式的には将来の職業を決めてしまったわけですが、もうちょっと早くに読んでおいたら人生変わっただろうなあ、と思ってしまいました。

著者には2人の父親がいたらしい。ひとりは実の父。もうひとりは友人の父。実の父は公務員で、高学歴。友人の父はたいした学歴はないが、自分でビジネスをしている人間。実の父は年齢が上がれば上がるほど、自由になる時間は減り、給料は増え、かつ借金も増えていった。一方、友人の父は年齢が上がればあがるほど、自由な時間が増え、財産も増えていった。実の父は真面目で頭も良い。それがなぜこのような違いを生むのか・・・というのが本書のきっかけ。ベストセラーになった前作の追加版がこれです。


「勉強して、いい学校、いい会社に入り、いい家庭を築く。それが幸せ」という価値観は、産業化時代、工業化時代に形成されたもの。そこでは工業社会に順応する訓練された人間を社会的に「生産」する必要があり、そうして「生産」された人間は一定の社会的成功が約束されていた。しかし、今は情報化社会であり、そこでは訓練は何の役にも立たない。発想のパラダイムを変え、必要な学習を行い、「賢く、自らのために働く」べきである。


みたいなのが結論のようです。うーん。思いっきり嵌ってました、よ。
基本的に自分の人生には常に満足している幸せな私ですが、さすがにもう一度学生時代を送りたい、とか思ってしまいました。それぐらいの一冊。




『ノルウェイの森(上下)』(村上春樹/講談社)



「日本人の小説、読んだことあるよ。誰だっけかな・・・題名はたしかNorwegian Woodで」


 「ああ、ハルキ・ムラカミでしょ?彼は現代の日本の作家で一番有名な人間だよ」―やれやれ。また村上春樹か。スウェーデンで彼の名を聞くのは2度目だった。最初はルームメイトのポーランド人がつれてきた2人の女友達のうちの1人から、そして今、日本への帰りに一緒にスカンジナビア半島を北上した中国人の友人。2人によれば、彼はかなり有名らしかった。「あの小説は中国人の若者に大きな影響を与えたんだよ。僕もかなり衝撃を受けた気がする、内容に関してはあまり覚えてないけど。君は読んだことはないのかい?」。ストックホルムからキールナという街に向かう途中の、夜行バスの中で、彼は聞くのだった。僕らは観光バスの2階の一番先頭に座っていて、前は真っ暗闇だった。横には白樺らしき木が枝を雪で白く染めながら、さびしそうに延々と続いていた。森の中に、一本だけ道があり、ほかは何もなかった。「いや、名前は知っているけど、読んだことはないんだ」僕は、基本的に日本人作家の小説は読まない人間なのだ。それは第一に、目的意識がないと何も出来ない性格の人間だからで、第二に小説は飛ばし読みができないからだった。小説は別に嫌いではなかったが、読む動機がなかった。


・・・ということで、ようやく読んだ一冊。すみません。非国民で。
昔読んだ小説と、構成が似ているのは、この作品をまねたんでしょうね。

「すごいところで書いてるなあ」というのが読後感。生と死、理性と本能、男と女、日常と非日常、永遠と無常・・・主人公は、すごく中性なんですね。いろんなディメンションがあって、すべての軸の均衡点で小説を書いているから、こうなるんでしょうね。

「なんでこれが書けるんだろうなあ」というのがもうひとつの感想。登場人物が、多いんです、よ。

一日で読了した一冊。
最近本ばかり読んでいて、思考方法が永沢さんみたいになりそうなんで、気をつけます。




『必ず覚えられるTOEFLテスト英単語3400 CD付』(河野太一/アルク)



思い出の一冊。



官庁訪問後、真っ先にやったことが、TOEFL受験でした。
大学院を受ける気満々だったんですね。苦笑

で、当時読んでいた一冊。
英語はなんだかんだ言っても、語彙数が増えないとどうしようもないらしく、単語を覚えるには1つの単語帳を何度も繰り返すのが(自分にとっては)効率的なのです。で、amazonで評判を見て購入。満足のクオリティ。

本書の特徴は「覚えやすくなるこじつけ」がついていること。declear=で、くれや、と宣言する、みたいな。無機質に単語を覚えていくのって、つるっとした真っ白な壁を上れといわれているみたいですごく苦痛なのですが、この本は表面にいろいろキズをつけてくれている感じ。読みやすいんです、ね。こじつけのセンスの評価は人それぞれでしょうが、自分のセンスのレベルが、著者と同じぐらいなのでまったく気にならなかったり。笑

3400覚えよう・・・次回までに。









『TOEFL TEST対策iBTライティング』(安藤新/テイエス企画)



ライティング対策本。



スピーキング対策本の姉妹本、のはずなんですが、クオリティは遠く及ばない一冊。
著者が違うからでしょうかね。解説が変なところに丁寧(問題以前の解説が多く、しかも抽象的)で、肝心なところの解説が薄い感じ。

amazonでいろいろ調べて買ったのですが、ライティングは定評のある一冊があまりないようだったので、「えい」と思って買ってしまった・・・うーむ。

と、ボロクソに言ってますが、本当にボロクソだったのは自分のwritingの出来のほうで・・・。
贅沢言わず、謙虚にがんばります。Just Do it!




2009-02-13

『TOEFL TEST対策iBTスピーキング』(川端淳司/テイエス企画)



I am studying now...



明日、TOEFLなんです。ということで、まさにいま、熟読中の一冊。
amazonの評価を見て購入したのですが、いい本ですね。

「英語は暗唱して覚えなさい」という著者の哲学に共感できる人にはよいと思います。
いままではアルクを購入していたのですが、断然こっちのほうが情報量が多く、構成も無駄なく合理的。
TOEFLspeaking自体、勉強しやすいものなのかも、と幻想を抱かせてくれたりします。

受動的なreading,listeningと比べると、speakingは俄然楽しいよなあ、と思ったり。
まあ、できるかどうかは別としても。

もうちょっと早くにこの本に出会っていれば・・・とは言わず、がんばります。





2009-02-12

『中庸』(宇野哲人/講談社学術文庫)



「子曰、舜其の大知也與。舜好問而好察邇言、隠悪而揚善、執其両端、用其中於民。其斯以為舜乎」



農業政策について考えていると、いろいろと悩むことがあります。
何を守るべきか。国民の圧倒的大多数を占める消費者の食なのか、産業としての農業なのか、それとも農村空間や農業者の生活なのか・・・。結論は「どれも」なのでしょうが、じゃあ実際にどこに結論を持っていけばよいのか。そう考えて、ふと読みたくなって買った一冊。

中庸とは、平均的なことではなく、もっとも適切妥当なこと(いわゆる最適解)であり、かつまた平凡な当たり前のこと、でもあるそうな。

様々な立場の人間の意見を聞き、その真意の善悪を判別し、善いものは取り入れ、悪いものは隠し、善いものの中でそれぞれの主張が反映されるような結論が、中庸。これができるのは聖人君子であり、そうなるために為政者はすべての知識を頭に入れ、私利私欲に眩まないよう自分自身を修め、他人の意見を聞き、実行していく必要がある、という感じ。

東洋的な最適解の決定メカニズムは、聖人君子という「教育」に委ねられており、西洋的な民主主義という「システム」ではなかったんだなあ、という妙な感慨を持ちました。


この本は、孔子の孫に当たる、子思によって書かれたそうな。当時は老荘思想が勢力を強めていて、宇宙の根本原理を説明するという壮大な学問体系を構築していたため、儒学も人間から出発しているのではなく、天道から与えられた性に従う学問なんだ、とその意義付けをはかった一冊、らしい。そのため抽象的な部分が多く、ちょっと理解できないものも多いのですが、自己修養のために読む一冊としては、いい本だと思います。

リーダーや為政者というと、大きなビジョンを示して、人を引っ張っていくイメージがありますが、これはむしろ逆で、人の中からビジョンを探り出し、一人ひとりが全体を引っ張っていく礎を作るのがリーダーという印象。そういうことを考えて、実践していたのですから舜は本当にすごい人だったんですね。実在していようとなかろうと。


2009-02-11

『鎮魂戦艦大和』(吉田満/講談社)




「進歩ノナイ者ハ決シテ勝タナイ 負ケテ目ザメルコトガ最上ノ道ダ 日本ハ進歩トイウコトヲ軽ンジ過ギタ 私的ナ潔癖ヤ徳義ニコダワッテ、本当ノ進歩ヲ忘レテイタ 敗レテ目覚メル、ソレ以外ニドウシテ日本ガ救ワレルカ 今目覚メズシテイツ救ワレルカ 俺タチハソノ先導ニナルノダ 日本ノ新生ニサキガケテ散ル マサニ本望ジャナイカ」



コレ先生ヨリ推薦サレシ本ナル。曰ク若シトキニ読ムベキナリト。
ワレ偶々山手線ニテコレヲ読了スレドモ、最後ニオヨビテ涙止マラズ。

コノ書、文字通リ戦艦大和ノ最期ヲ記シタルナリ。著者ノ吉田満、当時少尉トシテ大和ニ搭乗セリ。帝大法学部カラノ学徒出陣ナリ。大和沈ミシモ、彼幸運ニシテソコヨリ生還シ、終戦ノチホボ一日ニテコレヲ書キ上グルナリ。文体斯クノ如ク文語体ナレバ、簡潔ナリテヨリヨクソノ言ヲ知レリ。コノ文体ヲココデ用イルハ、コレニ倣ウタメナリ。

ワレ二十四ニシテ、当時ノ著者トホボ同年齢ナリ。マタ、ワガ将来役人ニシテ国ヲ思ウノ気持チノカキコトヲ思ウナリ。

纏マリタル感想ハナケレドモ、ワレ国家ト国民ノ関係ヲ再考セザルヲ得ズ。国家ハ国民ノ幸福ノ為ニアレドモ、戦争ニ於イテハ国家ノ目的ガ独リ歩キシ、ソノ犠牲トナルハ国民ナリ。国民ソノ矛盾アルヲ知リテ、ソレヲ理性的ニ理解セント努メ、冒頭ノ如キ論理ヲ考案スレドモ、ソノ声虚シカランヤ。







2009-02-08

『シカゴ・ブルズ 勝利への意識革命』(Phil Jackson (著), Hugh Delehanty (著),中尾 真子 (訳)/PHP研究所)



「姿なきリーダーこそ偉大である」



「バスケットの神様」マイケル・ジョーダンの成功の影には、優れた監督がいた――。そんな文句で昔インターン先の先輩から紹介された一冊でしたが、ジョーダンのおまけだなんてとんでもない。とにかく、最近いろいろと悩んでいたことを吹き飛ばしてくれた、自分の人生を変えた一冊となりました。


著者のフィル・ジャクションは元NBAのプレイヤーで、11年間プレイし、チームを2度の全米制覇へ導いた人間。彼がバスケットボールをプレイする中で感じたのは、「無になること」の意味。自分をアピールしたいとか、相手に勝ちたいとか、多くのことを考えず、ただただプレイに没頭する。すると、試合の流れが見えるようになり、結果的によい成績が上げられる、らしい。

それを応用したのが彼の監督業。NBAって、エゴイスティックな人間が多いんです。華麗なプレイを見せたがり、観客もそれを望む。しかし、バスケットはチームプレイであり、一人がどんなに優秀でも、勝てるとは限りません。そこで、彼はあえて自我を消すようなフォーメーションをチームに導入します。個人プレイではなく、みんながプレイする。みんながリーダーとなり、すべての人間が動くフォーメーション。すると、何かのきっかけで相手チームに隙が生まれた瞬間、そこにボールが回る、シュートがきまる・・・勝てる。それと同時に信頼関係も育まれる。お互いがお互いを尊重し、尊敬する。それが更にいいゲームへとつながる・・・ブルズはそうして3度続けてチャンピオンに輝いたのです。


なんか、いろいろ重なってしまい、涙が出そうです。
この本には、スポーツに限らず、組織のマネジメント、生き方の多くが詰まっている気がします。自分が何をしたいか、ではなく、自分に何ができるか、なのです。真のリーダーとは、リーダーをなくすことであり、真のマネジメントとは、マネジメントをしないように人を育て、仕組みを作ることなのです。












2009-02-07

『ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣』(本田健/大和書房)



「まず最初に、批判は、単にその人が物事をどう考えているのかという意見表明に過ぎないということだ。君の価値とはまったく関係がない。(・・・)批判の本質とは君が前に進むための向かい風なんだ」



かなり売れた自己啓発&ビジネス書。著者の本田健さんは、育児のためにセミリタイアしているという自由人。そんな生き方に興味を持って、はるか昔に買った一冊でしたが、目次を見て、やっぱり気になって読んでしまいました。

幸せな金持ちになるには17の秘訣があるらしいですが、本質的には、「世の中に感謝して、幸せに、幸せを作る」という感じ。日向に新緑の風が吹き抜ける感じで、単線的ないわゆるビジネス書とは違った、多線的な、穏やかな生き方を提唱しています。

アメリカにいた著者があるユダヤ人大富豪に会い、彼から成功の秘密を授かるところからこの物語は始まります。なんかどこかで聞いた話だなあ、思いつつ、そんな人に会えないかなあと思う日々です。



『人間を幸福にしない日本というシステム』(Karel Van Wolferen (著),篠原勝 (訳)/毎日新聞社)



「管理者たち(アドミニストレーターズ)は、すべての人のエネルギーはなにか大きな国家的事業に結びつかねばならない、といまだに考えている。この幻想を彼らは、彼らが使えることになった政治・経済構造とともに、先達から受け継いだのだ。果てしない産業拡大が日本の国益だと信じる管理者たちは、市民たちの安全と繁栄を最優先事項だとは見ていない――この点では広く意見が一致するだろう。
 彼らは現実から浮き上がっている。省庁の官僚たちや経済界のトップたちは、決まりきったいくつもの思考パターンを逃れて自分の創造性を働かせようとすると、その分だけ不安になり、非現実的(ロマンチック)になる。偉大な国家というロマンチックな空想を日常の退屈な生産管理業務に結びつけ、彼らは、サラリーマンの大群に踏み車を踏ませつづければ国が雲上の高みにもちあがるだろうと信じているかのようだ。それは、想像力が厳しき制限されて困窮化してしまった精神の中に生まれる、『偉大さ』という夢想(ビジョン)の遺物なのである」



ウォルフレンの2冊目。
1冊目は読むのにえらく時間がかかったのですが、これはすっと読んでしまえる一冊。

「今こそ、立ち上がれ日本の市民よ」という感じの、シンプルな主張です。

日本が政治的な社会であること、官僚国家であること、市民の自覚と市民への情報が足りないことなどなど、日本の「システム」を分析した一冊なのですが、なぜか徐々に内察的な読み方になってしましました。


初版は94年11月。村山内閣です。
日本の「システム」が変わったとき、政策を、社会を、どう変えるべきか。
いや、どう変わるのか。

幸か不幸か、そんなことに関われる時代に生まれたみたいです、ね。




2009-02-06

『実践 アクションラーニング入門―問題解決と組織学習がリーダーを育てる』(マイケル・J・マーコード (著), 清宮 普美代ほか (翻訳)/ダイヤモンド社)




「アクションラーニングとほかの問題手法との最大の相違点は、アクションラーニングは多様な視点を持つメンバーの集合体であり、問題の中身や背景に詳しい解決法を求めているわけではないということである。とりわけ複雑な問題を解決する場合は、専門性より多様性が要求されるとの研究結果が出ている。グループが問題を解決していくプロセスで、専門家が弊害を生み出すことがある。専門家はもちろん価値ある情報を提供してくれるが、高い専門性を持っているがゆえに、自分の殻の中で考えすぎてしまう傾向がある。その専門性が往々にしてグループ内での議論独占へとつながっていく。その結果、専門的な知識がないメンバーの間に、専門家から『くだらない』と思われるのでは、という恐れが生じ、自由に質問をしたり、発言をすることができなくなる。さらに専門知識を持たないメンバーは、自分の解決策がもしかしたら専門家によってすでに検証されているのでは、と考えるようになる。加えてメンバーが専門家に依存しすぎたり、リスクを取ることを避けるようになる。・・・実際に問題と対峙している専門家は、答えを持っている専門家より役に立つと言える。グループが問題を解決しようとして、新しい解決策を見出すために変革を求めているとしたら、新しい考えを生み出す自由が必要となる。グループの重要な能力は、合理的でわかりやすい答えというより、むしろ混乱している情報を整理し、解釈し、理解する能力である」



アクション・ラーニングとは「実務を通じたリーダー育成、チーム・ビルディング、組織開発を効果的に行う問題解決手法」。サークル運営入門書でしょう。なぜならば、これが(まじめな)学生団体の運営の芯をよく表していると感じたからです。

「社会的にいいこと」をやっている学生団体って、結構増えてきています。基本的に、彼らに金銭的な報酬はありません。じゃあ何が報酬か?それは報酬は経験と仲間でしょう。仲間は活動する中で自然に生まれるものですが、「よい」経験は必ずしもいつでも得られるものではありませんし、非常に短い期間のある経験を、きちんとした積み重ねを示して、個人にとって「よい」経験に転化させるためには、(少なくとも学生レベルにおいては)何らかの枠組みの設定が必要なのです。

要するに「社会的にいいこと(=社会的な価値)」をやりながら「学習(=個人にとっての価値)」を両立するのがまじめな学生団体の運営の肝であって、逆に金銭的な動機付けやそれに伴う法律上の責任が存在しない以上、この2つを両立しないとこうした学生団体は続いていかないのです。(()のように抽象化すれば、あらゆる組織の原理まさにそうですね)

と、偉そうな感じで恐縮ですが、少なくとも自分ではそう思っていて。

本書はまさにそういう視点で書かれたHow to本。が基本的な認識が違い、かなりのショックを受けました。マネージャーが、要らないんです。

一番の特徴は自分たちが「何を学びたいか」を定義し、行動に入ること。これは、すごい。「何をすべきか」「何が問題か」といった問題解決思考ではなく、「自分たちは、何を得たいか」を各自が考え、それに関連しそう(で解決できそう)な問題を自分たちで選んで、実行する、というのが要点。①ここから何を学ぶか、とか、何がダメか、というネガティブな側面を一切排除したこと、②個人と団体を結びつける意味のマネジメントがいらないこと、の2点で革命的な手法のような気がしています。

・・・いや、実際これはすごい。


ということで、下記は具体的なスキル(とフレームワーク)の抜粋です。
いろいろ重なって、反省しきりでした、ね。


・2つの基本ルール
1、意見は質問に対する回答のみ(と意識づけると他人の意見を聞くようになる)
2、ALコーチはいつでも介入できる(ファシリテーターがいる)

・アクション・ラーニングと問題解決の違い

1、問題
・・・緊急度の高いもの。行動を必要とする挑戦的な課題。
2、グループ
・・・メンバーは4-8人が適切。
3、質問
・・・解決策はメンバーが考える。多様性の中で生まれる。
4、行動
・・・実際に問題を自分たちで解決する。
5、学習
・・・問題解決以上に学習が重要。
6、ALコーチ
・・・学習効果を確認するために介入する存在。問題解決ではなく、学習を目的としてチームの行動をマネジメントする。(学習効果の確認のためにセッションを中断するなど)


・基本的なプログラム

1、グループ編成とスケジュール
2、問題の提示
3、問題の再定義
4、目標設定
5、行動計画の作成
6、実行
7、学習成果の確認

・企業が直面する5つの課題

1、企業が抱える問題の複雑化
2、新しいリーダーシップスキルと能力の必要性
3、成果を上げるチームを迅速に育成するニーズの増加
4、価値ある知識を蓄え、その知識を伝達していく必要性の増大
5、学習の必要性の増大と時間的制約の増加

・5つの課題に対処する最良の手法

1、問題解決
2、リーダーシップ開発
3、チーム・ビルディング
4、学習する組織の構築
5、個人の成長と能力開発

・問題の選定基準

1、重要度が高い
2、緊急性がある
3、自分たちが抱えている問題
4、能力の範囲内
5、少数のメンバーが問題に精通
6、メンバーにとって、有意性がある
7、重要な学習の機会がある
8、グループに権限が与えられていること

・メンバーの選び方

1、コミットメント
2、問題のついて知識と理解
3、実行のための権限
4、精通
5、多様性
6、組織によるメンバー選出
7、セッションへの出席

・グループの規模
9人以上は不適。

・専門家の弊害
「アクションラーニングとほかの問題手法との最大の相違点は、アクションラーニングは多様な視点を持つメンバーの集合体であり、問題の中身や背景に詳しい解決法を求めているわけではないということである。とりわけ複雑な問題を解決する場合は、専門性より多様性が要求されるとの研究結果が出ている。グループが問題を解決していくプロセスで、専門家が弊害を生み出すことがある。専門家はもちろん価値ある情報を提供してくれるが、高い専門性を持っているがゆえに、自分の殻の中で考えすぎてしまう傾向がある。その専門性が往々にしてグループ内での議論独占へとつながっていく。その結果、専門的な知識がないメンバーの間に、専門家から『くだらない』と思われるのでは、という恐れが生じ、自由に質問をしたり、発言をすることができなくなる。さらに専門知識を持たないメンバーは、自分の解決策がもしかしたら専門家によってすでに検証されているのでは、と考えるようになる。加えてメンバーが専門家に依存しすぎたり、リスクを取ることを避けるようになる。・・・実際に問題と対峙している専門家は、答えを持っている専門家より役に立つと言える。グループが問題を解決しようとして、新しい解決策を見出すために変革を求めているとしたら、新しい考えを生み出す自由が必要となる。グループの重要な能力は、合理的でわかりやすい答えというより、むしろ混乱している情報を整理し、解釈し、理解する能力である」

・振り返りの例(ロッキード・マーティン社のヴァーチャル・グループの例)

1、ヴァーチャルに活動したことで、どんな成果があったか?
2、成功にはどんな要素が貢献したのか?
3、できなかったことは何か?
4、ヴァーチャルグループは通常のグループとどう違うのか?
5、今後、ヴァーチャル・グループで働く場合、役に立つ学びはあったか?

・成果を上げるグループに共通する特徴

1、問題解決への強い意志を持っている
2、明確な目標を有している
3、戦略策定で他社との協力に喜びを見出す
4、質問をためらわない勇気を持っている
5、明確で容認された規範がある
(省察的な質問プロセス、意見より質問、学習へのコミットメント、守秘義務、問題解決と行動の重視、ALコーチの権限)
6、メンバーを尊重し、その考え方を支持する
7、学ぶことと支援することへの喜びがある
8、結束力が強く、信頼しあっている

・質問の形式

1、オープンな質問
・・・かなり自由に、答えを決められる(「この行動を起こせば、どんな最善の結果が考えられるか?」)
2、感情的な質問
・・・感情を共有(「仕事をやりのこしたら、どう思うか?」)
3、省察的な質問
・・・より深く考えさせる(「あなたはマネージャーに問題があるというが、問題の原因は何だと思うか?」)
4、核心をつく質問
・・・前提を再考させる(「なぜそのやり方でやらなければならないのか?」)
5、関連付ける質問
・・・システム思考に基づく(「これらの行動の結果はどうなるか?」)
6、明確化する質問
・・・明確化(「具体的にどういうことか?」)
7、探究的な質問
・・・新しい手段が新しい探究へとつながる(「これは○○に役に立つのではないか?」)
8、分析的な質問
・・・状況だけでなく、原因を検証(「なぜそれは起こったのか?」)
9、クローズドな質問
・・・行動が決まる(「反対か賛成か?」)

・役に立たない質問

1、誘導的な質問
・・・意図的に答えさせる(「あなた自身がやりたいことではないのか?」)
2、複数選択式の質問
・・・都合のいい質問になっている

・よい質問を引き出す条件

1、集中力もしくは緊張感、またはその両方を喚起
2、より深いリフレクションを促す
3、考え方の基礎となる前提に対して疑問を抱かせる
4、答えが難しく、質問するのに勇気がいる
5、改革的な思考へと導く
6、すばらしい解決策への扉を開く鍵が含まれている
7、「無知、リスク、混乱がはびこり、次に何をなすべきか誰もわからない状況下」でなされる新鮮な質問
8、支援的、洞察的、てごわい。
9、独り占めではなく、共有に根ざしている
10、自己中心的でもなく、興味本位でもなく、また自分の賢さをひけらかしたり、情報を得たいがためのものでもない。
11、問題提示者自身の考え方、見方をさらけ出す
12、心を開き、より深く考えさせる
13、仮説を検証し、グループがなぜその行動を起こすのかと同様に、なぜそのやり方で行動するのかを考えさせる
14、行動を促す

・意味ある答えを導き出す質問

1、ほかのやり方でできないか?
2、ほかにオプションは考えられるか?
3、まだ使ったことのないリソースは何か?
4、○○をしたらどうなるか?
5、まったく何もしなかったらどうなるか?
6、ほかに方法はないか?
7、なぜ先に進めないのか?
8、もし~したらどうなるか?
9、~を考えてみたことがあったか?

・アクション・ラーニングの学び方

1、具体的に経験すること
2、その経験を観察し、振り返ること
3、その経験を標準化すること
4、標準化した経験を検証すること


2009-02-03

『組織行動のマネジメント―入門から実践へ』(Stephen P. Robbins (著), 高木晴夫ほか (翻訳)/ダイヤモンド社)



「パス・ゴールという用語は、有能なリーダーは道筋(パス)を明確に示して従業員の業務目標(ゴール)を助け、障害物や落とし穴を少なくすることによりその道筋を歩きやすくする、という確信に由来する」(R.J.House"Path-Goal Theories of Leadership")



「組織行動学」の入門書。組織行動学とは、「組織内で人々が示す行動や態度についての体系的な学問」らしい。この叙述で学問的な危うさが理解できますが、薄く広い内容を扱って概念を詰め込んだ辞書みたいな印象。
主張が、ないんです。

組織のマネジメントには、やはりマネジャーの人間観や価値観が反映されるもの。
いろいろな学問の、いろいろな学者の主張を混ぜている学問なので、そういう「偏り」がないのが残念。
とはいえ、冒頭のパス・ゴール理論には全面的に賛成です。

ということで、下記は有用(だと思った)概念の抜粋。
英語で読みたかったなあ、と思ったり。日本語にすると、硬すぎる。。。

何かメモみたいですみません。




マネジメントの役割:説明、予測、統制

クラックホーン・ストロベックの価値次元
①外部環境:支配、調和、服従
②時の捉え方:過去、現在、未来
③人間の本質:善、混合、悪
④活動志向性:存在、抑制、行動
⑤責任の焦点:個人、集団、階層
⑥空間の認識:私的、混合、公共的

人はなぜ集団に所属するのか?
:安心感、ステータス、自尊心、親密さ、力、目標達成

名目集団法

チームが機能するための3能力
1、技術専門
2、問題解決、意思決定
3、対人的

チームに必要な9つの潜在的役割
1、創造・革新
2、探求・奨励
3、評価・開発
4、推進・組織
5、完結・生産
6、管理・検査
7、擁護・維持
8、報告・助言
9、連結

信頼の築き方

1、自己利益だけでなく、他者の利益のために働く姿を見せること
2、チーム・プレイヤーになること
3、開放性を実行すること
4、公正であること
5、感情を言葉に表すこと
6、意思決定の指針となる基本的価値観において一貫性を示すこと
7、秘密を守ること
8、能力を示すこと

コミュニケーションの役割
1、統制
2、動機付け
3、感情表現
4、情報

異文化コミュニケーションの要点

1、類似性が証明されるまでは互いに異なると仮定する
2、解釈や評価よりも叙述を重視する
3、相手の立場に立つ
4、自分の解釈を作業仮説として扱う

3Mの戦略:構造的変数の設定


ピーナッツのフロランタン




ピーナッツとフロランタンと。



ピーナッツを使って、本当にフロランタンといえるのか?という疑問は残りますが、それなりに満足な味でした。

今回は、フロランタンを作る、という目的があってピーナッツを購入したのですが、問題はピーナッツが所与のケース。要するに「ピーナッツを使ったほうがよいのか、それともアーモンドを買いにいくべきか」という判断が求められる場合です。

この判断が、意外と難しい。ピーナッツにとっては、フロランタン以外の使い道があり、よりおいしく食べられる可能性があるかもしれないからです。しかもほかの材料もフロランタンに投入されるわけで、おいしくないものができたら全体として不幸なわけです。

多くの場合、ピーナッツの使い道に関する判断は、直感的になされます。脳の中では、おそらく過去の経験からピーナッツの味を思い浮かべ、とアーモンドの比較対象を通じて、よい部分、悪い部分を上げて全体的にピーナッツを評価した後、最低限満たすべきポイントを抑えているかどうかをフロランタン側から検証して採用か否か判断しているのでしょう。

その後「ナッツ類」というカテゴリを発見して、その分野から潜在的に採用しうる対象が増える、という風にしてフロランタンの可能性は広がっていくのかもしれません。


お菓子や料理の世界は、「1+1=3」が平気で行われている点で割と深いですね。