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2010-01-23

『それでも人生にイエスと言う』(V.E. フランクル著, 山田邦男・松田 美佳 訳/春秋社)



「生きる意味ってあるのかなあ?」



ある種の人間は、きっとどツボに嵌る質問じゃないでしょうか?

・・・というのも、かくいう私も、まさにその一人だからです。



やりたいことがない人間から、やるべきことを取ってしまったら・・・そこに待つのがこの問い。

なんとなく大学生活を送っていて、やるべき仕事がなくなって、とるべき単位がなくなって、でも生活は保障されていて・・・。そんな人間だった自分。こんなこと考えても意味ないんだろうなあ、と思いつつ考えていたのが人生の意味でした。あのとき「まあ、結果的に意味のある人生にすりゃ、いいんだ」と割り切って、とりあえずやりたいことらしきことをやるという判断をしなかったら、今の自分はなかったかもしれません。



著者のV・E・フランクルはナチスの収容所体験を持つ、精神科医。死以外に待つものがない絶望的な状況の中で、一囚人として体験したこと、周りの人間を観察して発見したことから、「人生の意味」について語った講演録がこの一冊。


「人生の意味を問うべきじゃない。人生が自分に何を期待しているかを問うべきだ」というのが結論。人は快楽のために生きているのではない。快楽は責任を全うした結果として与えられるもの。

同様に

「仕事の意味を問うべきじゃない。仕事が自分に何を期待しているかを問うべきだ」

なんでしょうね。



というわけで、25年間生きていた自分と、支えてくれた家族・友人・先生先輩後輩に感謝ということで、誕生日の一言でした。














2009-12-27

『構造政策の理念と現実』(安藤光義/農林統計協会)



正しいのはどっち?



政策効果を検証した一冊。
取り上げらているのは農業経営基盤強化促進法で、まさに課の所管なんですね。

「構造政策」とは、いわば「農地をまとめていきましょう」という政策のこと。
小さな面積で農業をやっても効率が悪く、儲からない。儲からないままだと誰も跡継ぎが生まれず農業全体が立ち行かなくなってしまう。だから儲かる農業のために大きな面積で農業が行われるように、農地を地域の中心人物に集めていきましょう、というのが構造政策の論理。「構造」という呼び名が与えられているのは、農地は有限なので、だれかに集める=だれかが手放す、という全体の構成にかかわるものだからでしょう。

「農業経営基盤強化促進法」とは、市町村ごとに、この「構造政策」を進めるための手段を与えた法律で、その法律について政策の効果がちゃんと出ているのか、ということを具体的な事例を元に検証し、提言しているのが本書。

で、内容は

①もはやコメが儲からない以上、大規模に耕作したって儲からない。だから儲かるために土地を集めましょう、という仕組みは意味がない。(構造政策と経営体育成政策との乖離)
②地域で農地をまとめて「儲かる」仕組みを作ろうと促しても、地域の人は農業を維持しようと思っているだけで、儲けようとは思っていない。(集落営農の目的の変質)
③都市農地では、相続税対策が一番の問題。

という感じ。

言われていることはもっとも、な気がする。
振興行政って、難しいですけどね。









『ルワンダ中央銀行総裁日記』(服部正也/中央公論社)



なんと、復刊されました。



 もう4回ぐらいレビューしている本書ですが、何気なくアマゾンを調べていたら、同じタイトルが2つ。。。待てよ・・・と思ったら案の定復刊されていました。いやー名著はやはり残っていくものなんですね。

見知らぬ国に一人で乗り込んでいって、経済復興計画を作り、実際に復興させてしまう凄さ。
農民、商人、役人、政治家、ルワンダ人、インド人、ベルギー人、アメリカ人・・・あらゆる立場から話を聞き、1つの物事に対する異なる見解を1つの論理にまとめていく想像力。発想から政策立案が直結する鮮やかさ。政治への配慮と戦略。

「なんで役人になったの?」の30%ぐらいはこの本のおかげな気がしています。

以前は絶版で、アマゾンでしか買えなかったのですが、これで書店でも買えるようになりました。もう一冊ぐらい買おうかしら。笑

やはり、目標ですね。




2009-12-19

『オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える』(木村元彦/集英社インターナショナル)



「無数にあるシステムそれ自体を語ることに、いったいどんな意味があるというのか。大切なことは、まずどういう選手がいるか把握すること。個性を活かすシステムでなければ意味がない。システムが人間の上に君臨することは許されないのだ」



あああ、こんな人になりたい。

日本代表前監督のイビツァ・オシムについての本。
著者は記者であり、ノンフィクションライター。サッカーだけでなく、オシムの故郷であるサラエボについても詳しいため、彼の半生記を綴りつつ、そこで結晶した人間性を浮かび上がらせています。要はブームに乗って書いただけではなさそう、ということ。


民族が入り混じり、内戦で祖国が混乱する中、数学者や医者の道を蹴り、サッカー選手となったオシム。選手一人ひとりをつぶさに観察しつつ、チーム全体やサッカー界すべてを視野に入れ発言し、行動するその姿は、監督として、人間としての一つの完成体である。



思えば、監督って、自分でプレーしないわけです。実際には何もできないけど、確実に何かしている。その「何か」がオシムの行動なのでしょう。


とにかく、発言が、行動が的確すぎる。無駄がない。よく見てる。自分を知り、相手を知り、未来を知る。

服部正也もたぶん、こんな感じなんだろうなあ、と。

別にサッカーはまったく分からないのですが、こういう生き方をしたいなあ、と思うのでした。







2009-10-25

『食と農の戦後史』(岸康彦/日本経済新聞社)



進化と退化。



食や農に携わる人間としての基本書があるとすれば、間違いなくその一冊に入る本。
前々から読まなきゃと思っていたのですが、結局ついこの間職場の図書館から借りて読了。
・・・読んでいなかったことが恥ずかしい一冊です。

内容は戦後の農と食のルポルタージュ。もっといえば、農業生産・農業政策・食品産業・食卓の60年、という感じ。当たり前なんですが、生産だと「農」で、消費だと「食」なんです。両方の視点から見ないと、現実を見誤るなあと改めて感じたのでした。

印象に残るのは戦後の食生活の変化の激しさ。食品産業・外食産業は未曾有の拡大を見せたのに対して、衰退した(土地利用型)農業と、荒廃した食生活。日本型食生活の復権が叫ばれて久しいですが、結局は昔に戻れ、という話。有機農業の進行とあわせて、いのちの世界はマルクス経済学でないと分からないのかも。。。


個人的なハイライトは農業基本法。「日本の高度成長に賭けた」という言葉の意味は定かではないですが、俺たちが農業を作るんだという意気込みはすごいものがありますね。










『新政策そこが知りたい―「新しい食料・農業・農村政策の方向」の解説』(新農政推進研究会/大成出版社)



農政の源。



今の農業政策の始まりの一冊。
「これまでの規模拡大路線は行き過ぎだ。農業・農村政策は一体的に。」みたいなことを最近はいわれますが、その路線がまさにこれ。


内容としては、「新しい食料・農業・農村政策の方向」(平成4年6月10日)の解説書。
ただしこれが「新政策」として、これまでの農業政策の基本方針となったので、法律でも政令でも通知でもなんでもないんですが、有名なのです。農政を「食料」「農業」「農村」と分けたのはこれが最初という噂。内容としては育成すべき農家像とその数(とそれに対する農地の集積目標)を明確にし、それに対して各種施策を講じるプロセスを築いた点が画期的。


農業者の高齢化、規模拡大の遅れ、貿易自由化への対応、環境問題への貢献・・・食品の安全性や多面的機能の解説など、現在当たり前のように議論されている論点がこのとき既に盛り込まれていたことは、当時の見識がすごいのか、現在の認識に進歩がないのか、どっちなのでしょうか?(執筆者の一人によれば)結構売れたとのことで、当時は画期的な政策だったことは間違いなさそうです。




当時は直接支払い(農家に直接(固定額の)補助金を払う)が時期尚早として見送られていたんですね。。。そのほか農商工連携が「地域内発型農林水産関連産業」といわれていて、なんだか奇妙です。生産調整は議論があいまいですね。


『戸別所得保障制度、そこが知りたい』を出したら、売れると思うんだけどなあ。






2009-10-03

『佐々木かをりの手帳術』(佐々木かをり/日本能率協会マネジメントセンター)



「時間管理が上手な人は悩みが少ない。なぜならば、悩みというのは、長い時間解決できない課題のことを指すからだ」



衝撃的だった一冊。「いくら計画を立てても、行動を起こさなきゃ意味がない。というか、行動以外は意味がない」そんな思いが手帳から読み取れます。

著者の佐々木かをりさんはone of 有名な女性起業家で、2社の社長&2児の母。
もっと有名なのは彼女の考案した手帳。

もともと手帳が好きだったという著者。そのうち自作を始め、一時はフランス製の手帳を使っていたそうですが、結局祝日とかの関係で自分で製造・販売してしまったそう。

手帳の設計はいたってシンプル。
・一週間見開き
・30分ごとの欄
・基本、それだけ

毎日のページとか、価値観を明確化するページとか、一ヶ月の予定を確認するページとかメモとか、そんなのは基本的にないんです。だって一箇所になってたほうが見やすいし、何より無駄だから。フランクリンプランナーと比べると、すごく実践的。あれはすごく理論的なんですね。大事なことはわかるけど、コストが・・・。



市販の手帳→フランクリンプランナー→自作→outlook→フランクリンプランナー・・・と行動力がないことを手帳のせいにしてきたのですが、何だかしばらく落ち着きそうです。当然、手帳<<行動、ですけど。


2009-08-16

『チェンジ・リーダーの条件―みずから変化をつくりだせ! (はじめて読むドラッカー』(Peter F. Drucker著,上田惇生著/ダイヤモンド社)



「自分は何か得意で何が不得意か」との問いこそ、ベンチャーが成功しそうになったとたんに、創業者たる起業家が直面し、徹底的に考えなければならない問題である。しかし実は、そのはるか前から考えておくべきことである。あるいは、ベンチャーを始める前に、すでに考えておくべきことかもしれない。


ドラッカリアンを自称してはばからない私ですが、知っていても実践できていないことが多いなあ、と思わされた一冊。

タイトルは変革期のリーダーシップ的な感じですが、内容は「マネジメントとは何か?」に尽きます。別にチェンジが重要なわけではなく、組織の使命に適い、そこで働く人が成長し、社会に何か貢献できればよい。

目標は必ず立てるべし、そしてきちんと反省すべし。
自分からではなく、市場から発想すべし。

組織を考えても、結局自分に跳ね返ってくるのが人間の面白いところなんでしょう。




『ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代』(大前研一訳、ダニエル・ピンク/三笠書房)



左脳から右脳へ。



単純作業はどんどんコンピュータに置き換わって、わずかに残された人的な労働も発展途上国に流れてしまったとき、そして安くて良質なモノで世の中が溢れてしまい、満たされすぎている現在、僕らは何で稼げばいいんだろう?そんな答えを示した本です。

結論は「新しいことを考える人」(ハイ・コンセプト)と「他人に共感できる人」(ハイ・タッチ)のみが価値を持つ時代になる、ということらしい。

本書の特徴は、それを左脳、右脳という対比でもって示していること。右脳的な発想こそが今後のマーケットで生き残る鍵になり、それは先進国のかつての教育によっては満たされえない領域であるそう。

実用性<デザイン
議論<物語
個別<全体の調和
論理<物語
まじめ<遊び心
モノ<生きがい

てことは農業じゃん?と思うのは私だけでしょうかね。
なんだか元気になれる一冊です。



2009-08-15

『企業参謀』(大前研一/講談社文庫)



「この作業には『徹底的』とか『しつこい』と呼ばれるくらいの努力が必要である」



タイトル通り、企業において、まるで戦場における参謀のように戦略を立案するためのノウハウをまとめた一冊。これを文庫にするのは凄い。
訳書でなくてここまで本格的な本が自分の生まれた年に出版されていたとは、驚きです。。。

感じるのは合理的な仮説検証の重要性とそのための発想力&分析を使いこなすスキルの必要性。他の書籍に比べて、仮説の前提となる分析の記述と手法がかなり多い気がします。・・・というか、はっきりいって全然わかんない。

ああ、仮説って、立てて感覚的に優先順位をつけて実施するんじゃなくて、立てたら分析して、検証してから実施するんだなあ、とよくわかるものの、その分析作業は知的な作業だなあ、と思うのでした。PPMの説明は、すごくわかりやすい。


流れているのは、「戦に勝つのは将が強いからであり、負けるのは将が弱いからである」というリーダー論。国政への応用も書いてあり、確かにこうやったら面白いだろうなあ、と。


印象的なのは、問題はすべて異なり、答えもすべて異なる、という前提。
海外に事例を探すのがもっともらしいような気がしてしまいますが、それは逃げ、なんですね。







『仕事の報酬とは何か』(田坂広志/PHP研究所)



「しかし、その『経験豊かなマネジャー』から話を聞いていると、不思議なことに、『見識』が伝わってこないのです。一つの仕事を通じて『スキル』を磨いてきたプロフェッショナルが必ず持っているべき『見識』や『智恵』が伝わってこないのです。こうしたマネジャーが、なぜ、生まれてくるのか。『反省』をしないからです。」



ずばり仕事の報酬とは「能力」「仕事」「成長」らしい。
昔インターンをしていた会社で見かけた一冊。当時はふーんという感じでしたが、働き始めると読み方が変わるものです。田坂広志さんはNPOのマネジメントなどでよく引き合いに出される方。


①給料や地位は仕事の報酬ではなく、自ら求める対象でもない、結果としてついてくるものである。
②本当の仕事の報酬とは、能力の向上、作品としての仕事の創作、そして人間としての成長、である。
③人間としての成長とは、決して失われない、もっとも価値あるものである。

が骨子で、それぞれ「じゃあ、その3つはどうやって得ていけばいいの?」ということを講話形式で書いてあります。師匠を見つけ、師匠から会話や物事を進めるリズム感、バランス感覚の「呼吸」、仕事に対する「心得」、反省のための「着眼」点を学ぶべき、など単純に具体的な話が書いてあり参考になります。


能力は経験によって作られるものだと思っていたのですが、経験は能力によってもたらされるものであり、能力は心構えと反省によって積み重ねられるものなんだと考えを改めました。

仕事にも、王道はないんですね。









2009-08-08

『孫子』(天野鎮雄訳、注/講談社文庫)



「乱は治より生じ、怯は勇より生じ、弱は強より生ず。治乱は数なり、勇怯は勢なり、強弱は形なり」



だいぶ前に読んだ本ですが、印象は「さらっとしている」感じ。

(中国古典には珍しく?)中心概念がないんです。
あるとすれば勝つという結果のみ。

経験則から、戦争とは何か?から、その戦略や将軍のあり方まで、コンパクトに纏めています。かなり実務的。

「こうすればよい」という経験則の集合。内容は、勝てるかどうかの計算の仕方、戦争のコスト、外交の重要性、戦争における勢い、展開の読み方、相手を欺くこと、相手を知ること、地形(環境)を利用すること、火の使い方、スパイの使い方などなど。

基本的には戦争反対で、やむを得ない&勝てる場合に戦争をする、という思想。

勝てる戦争しかしないというのは、当たり前のようで、あまり当たり前じゃないかも。












2009-07-20

『レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術』(本田直之/東洋経済新報社)




効率的な人生。



レバレッジ・リーディングの著者の三部作の1つ。

①労力:仕組み化して習慣にする
②時間:計画を立てて評価する
③知識:本を読む、まねる
④人脈:環境とアドバイザー

構成はこんな感じ。「暇になったらやろう、では一生できない」はそれなりに納得。

時間の使い方をどう評価していけばいいのかなあ、と思っていたのですが、
①インプット
②アウトプット
③生活
④プライベート(家族)

と分類しているらしい。レベルが違うんですが、参考になりますね。








『もっと効率的に勉強する技術!―1時間の勉強が30分で終わる!』(高島徹治/すばる舎)




「勉強量」よりも「学び方」



「おおおおおお!」と思って、衝動買いしてしまった一冊。
勉強法に詳しいわけではありませんが、王道を行きつつ、なるべく無駄を削いだ勉強法の完成形態、という印象の一冊。というか、考え方がほとんど一緒なので、何だか嬉しくなってしまいました。とはいえ、著者のほうが何段も上なのですが。。。資格を91個も持っている人が資格試験の必勝法について説明してくれています。自分でやってるので説得力と具体性が違いますね。

①計画を立てる
②感度順にこなす
③空き時間を活用する
④インプット&アウトプットを使いこなす
⑤スキルを使う(速読、マーキング、カード)


著者が賢いのは、資格試験をレベル分けして、受かるものだけ受ける、と言い切っていること。勝てない試合はしない、ということでしょう。

基礎が8割という考え方には共感。アウトプットが重要ということはわかってもアウトプットの時間を固定で確保していなかったのですが、必須ですね。

著者によれば、休日に重要なものはカードに書き写して、平日でそれを覚える、というサイクルを重ねることが重要だそう。カード使った勉強を始めようかと思うこの頃です。





『ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル』(照屋華子, 岡田恵子/東洋経済新報社)




「会議を持つとき、文書を作るとき、それによって相手にどのようにしてもらいたいのか、どんな反応を引き出したいのか、という期待成果のないコミュニケーションは『独白』でしかない」


「ロジカル・シンキング」といえばこの本、というぐらい有名な一冊。昔から読まなきゃなあ、と思っていたのですが、ようやく購入しました。

内容は3部立てで、

①目的意識の明確化
②MECE
③論理パターンを覚える


構成を一見すれば明らかですが、「ロジカルシンキング」とは、<目的を明確にし、MECEで(漏れなくダブりなく)、既存の論理パターンに則って情報を整理すること(必要ならば相手に伝えること)>なんですねー。

③はPPTの作り方、みたいな感じ。課題に対して、結論があり、それ以下はMECEで、階層別に"So what?"(だから何なの?)"Why so?"(どうしてそうなの?)でリンクしている、という形。課題が問うている内容について論理のパターンは変わりますが、原則はそんな感じらしい。

①では、コミュニケーションの目的は「情報提供」「フィードバックをもらう」「行動を起こさせる」の3つである、と限定しています。内容もそうですが、こういう枠の嵌め方が巧みですよね。






『この人はなぜ自分の話ばかりするのか―こっそり他人の正体を読む法則 (こっそり他人の正体を読む法則)』(Jo‐Ellan Dimitrius著,冨田香里訳/ソニーマガジンズ)




読み方。



原題は”reading people”。著者はアメリカでもっとも有名な陪審員コンサルタント。陪審員には事件とは無関係の、公正な判断ができる人間が選ばれる必要があり、その選定にあたってアドバイスを与えるのがコンサルタント。ですから、限られた時間と情報から、その人を見抜くのが仕事なわけで、その技術を解説した本。

①他人について知る:
 際立った特徴から背景を推測する、
 第一印象の背景を読む、
 環境から人を読む、
 話し方から読む、
 発言より行動を見る、
 例外を知る
②自分を知る:
 他人からどう思われるかを考える、
 質問の仕方を工夫する、
 直感を積み重ねて磨く

なんだかシャーロック・ホームズみたいですね。。。
すべての行動には意味があり、その背景を探ることが人を読むことなのだ、みたいな感じ。
そりゃそうでしょうが、ある一点から解釈を広げていく発想は重要でしょう。木から森を見る感じ。

自分自身の読まれ方も気をつけないといけないというのは、当たり前のようで盲点ですよね。

で、応用編が「SPEED」

S:scan(全体を見る)
P:pare(特徴を取り出す)
E:enlarge(特徴を拡大する)
E:evaluate(集中力を保ちつつ評価する)
D:decide(安全なうちに決める)


人に限らず、いろいろ読めそうですよね。



2009-07-11

『問題解決プロフェッショナル「思考と技術」』(齋藤嘉則,グロービス/ダイヤモンド社)



「わかること」「実行できること」「結果がうまくいく」



いわゆる「問題解決」のパイオニア的な一冊。
構成はシンプルで

①思考:ゼロベース&仮説
②技術:MECE&ロジックツリー
③実施:ソリューションズ・システム

の3つ。こういう本から①②がいろんな本に切り出されていったのだなあ、と考えると何だか不思議な感じがしますね。もともと一緒に使うものなんですからね。


③のソリューション・システムとは、①②で分析した問題に対して、「この問題は解決できるか?」「YES、beacauce...」と、問題が解決できる理由を死ぬほど考えて、上から順に検証していく、というプロセスのこと。

・・・すっごいポジティブなんですね。問題解決というと、何だかどうしようもないものを淡々と分析して、淡々と実施していくイメージでしたが、「どんなスバ抜けた解決策があるかなー」とみんなであれこれ考えて「これでできるのか確かめてみよう」と動きつつ考える感じ。要は問題解決とは、言葉通りの「問題の根源を除去すること」ではなく、「問題の根源を明らかにすることで達成すべき目標を明確にし、目標を達成すること」なんですね。手段をあれこれ考え、日々実践するなら、そりゃ楽しいわ。

「わかること」×「実行できること」=「結果がうまくいく」なんでしょうか。
いずれにせよ、実行できないと意味ないんですね。





2009-07-08

『本質を見抜く力―環境・食料・エネルギー』(養老孟司,竹村公太郎/PHP新書)





モノは嘘をつかない。



モノで見る文明史、という一冊。
日本を、文明レベルの100年単位のスパンで、水・エネルギーの視点から議論した内容を収録したもの。

モノで見るとは、つまりは自然科学の分野から社会を俯瞰するということ。経済学みたいな、人間のアンケートや経済活動の統計からモデルで帰納的に考えるのではなく、自然の末端のデータから社会を演繹的に構想する、という新鮮さと確からしさ。だって、人以外はみんな嘘をつかないんですもん。

凄く凄く、新鮮。


いろいろとデータを持ち出し、環境の変化から見た日本の未来論をふっかける竹村氏と、すべてに違う視点で同じように応える養老孟司。

こういう人たちの会話って、こんなに凄いんでしょうか。。。
特に養老孟司はやっぱり凄い人なんですね。

生態学、本気でやろうかと思ってしまいます。


『話術!虎の穴―現役アナウンサーが明かすトークのネタ帖』 (三橋泰介/源)




話術に王道なし



研修で、あまりにコミュニケーション力がないことに気づき、購入した一冊。
というか、最近狭い環境にばかりいて、落ちていたんですね・・・と思いたいのですが、そもそも面白い話をすることは苦手なのですよ。


本書はデパートの販売員からトークの面白さに魅せられてアナウンサーになった著者が開発した話術を学ぶ術を教える一冊。別にこれを読んだから瞬間的に会話が弾むわけではなさそうですが、王道のことを言っている印象。何でもそうですね。

ポイントは①「トークとは共感・知識・笑いである」②「アドリブは真似る練習によって作られる」③「集める・気づく・作る、で情報収集を」の3つ。

①「トークとは共感・知識・笑いである」
そのままですね。あとひねりとか、自分を少し落としこめる、とかも有効らしい。もはやどうしようもない。

②「アドリブは真似る練習によって作られる」
奇跡は奇跡的には生まれない、ということですね。自分の仮想師匠を作り、徹底的に真似ることが重要らしい。音から文章にしてさらに音読すると効果的だそうな。確かに。あとはネタを常に自分で試すことが重要。風呂の中や、友人の中で。

③「集める・気づく・作る、で情報収集を」の3つ。
たくさんの情報媒体に日々触れること、日常からネタを拾うこと、ネタを作ること、の3つ。


あとはテレビは5台買えとか、呼吸法から鍛えよ、とか、すごい感じ。笑
いろいろ勉強になります。確かにアナウンサーなら、そこまでするわ。












『図解雑学 論語』(狩野直樹/ナツメ社)



孔子の実像。


文字通り、論語の図解です。思わず古本屋で買ってしまいました。
もともと論語・孟子は持っているのですけど。

内容は論語の抜粋と内容を斟酌したもの。
論語ってそこまで難しいものではないはずなのですから、やっぱり原典をあたるほうがいいですね。。。

15志学
30而立
40不惑
50知命
60耳順
70従心

だったんですね。従心は知らなかった。

論語を読むと「孔子ってアツくて、頭の回転が早い人なんだなあ」と思うのですが、この本は読むと「孔子ってきちんとしていて偉い人なんだなあ」と思う一冊です。