2011-03-06

『話し言葉で読める「西郷南洲翁遺訓」 無事は有事のごとく、有事は無事のごとく』(長尾剛/PHP研究所)

つまり、です。組織を率いる者は、心を常に公平に保っていなければなりません。嫌いな奴でも、気に喰わない意見を言う奴でも、まずはおのれの“相手を嫌う心”を封じて、対せねばならぬ。トップに立つものの責務とは、言ってしまえば、それだけなのです。



西郷隆盛って、自分で本とか残してないんです。(てかそういうところが既に凄い。)

で、西郷隆盛に触れることのできる数少ない一冊が「西郷西郷南洲翁遺訓」。米沢藩の藩士たちが西郷を訪ね、意見交換をした際の「ありがたいお言葉(&明治政府批判)」をまとめたもの。で、これはそれを現代語訳したもの。だって原著は文語体で読みづらいんですもん。岩波の文語バージョンは昔から持っていたのですが、あまりの読みづらさに挫折していたんですね。その意味でこれは画期的。


内容はまさに公務員のバイブル。「これを時の権力者に読ませてやりたいわ」と誰しもが思う内容。笑
西郷さん、公的な職業に携わる人間として、人として、すっごく立派。こころがきれいななんだなあと思ってしまいます。『貞観政要』が本当はもっとバイブルなんでしょうけど、こっちのほうがコンパクトでいいのでは?と思ったりします。


「言うのは易し、行うが難し」で、これを実行して生きていくことが超難しいんでしょうけど、西郷隆盛って本当にそうやって生きてきてるんですよね。。。という意味で言葉の重みが桁違いです。思わず目頭を熱くしてしまいました。


私、いままで服部正也と井上準之助みたいになりたいなあと思っていたんですが、ここに来て西郷隆盛がトップに据えられそうです。なんかミーハーみたいでいやだな(まあ、ミーハーですけど。笑)




『明治という国家』(司馬遼太郎/日本放送協会出版)

「明治時代とすると、流動体みたいな感じになりますが、「明治国家」としますと、立体的ないわば固体のような感じがするから、話しやすいんです。そんな国家、いまの地球上にはありません。1968年から1912年まで44年間つづいた国家です」



さっきの「米生産調整の経済分析」の推薦図書(笑)
荒幡克己氏が、本の中で「明治という国家」に出会って(本の中では「邂逅した」とまで言われています。笑)、使命感を持ったのだとおっしゃっていたので、それならと思って購入した一冊。

確かにすごい本。歴史観変わるわ。


本の内容を一言で言うと「司馬遼太郎が偉そうに語る「明治国家」の実像」。司馬遼太郎って、すっごい調べまくってから小説書く人なんですね。歴史小説家はみなそうなんでしょうけど、彼の徹底振りは(特に「坂之上の雲」。)すごい。で、そういう小説家としての活動を通じて見えてきている「明治国家」について「お前ら、明治ってのはな・・・」と、まるで同時代を生きてきたかのようにみずみずしく語る、というのがこの本。

歴史の教科書ではまるで神様のように出てくる明治の政治家たちが、司馬遼太郎視点でダメ出しされていく本(笑)。これは歴史観変わりますわ。幕末のころって、本当に血なまぐさい時代だったんですね。国のためがいつしか藩ため、自分のためになっていく・・・。

で、ほぼ唯一綺麗なのが坂本龍馬と西郷隆盛。とくに西郷隆盛への肩の入れようは半端ではなく、「司馬さん、そんなに褒めていいの?この人、征韓論と西南戦争でしか教科書に出てこないんですけど。。。」と突っ込みたくなるんですが、どう考えても教科書を書いている人よりも司馬遼太郎のほうが持っている情報は多そうなので、軍配は彼に上がりそうです。


別に歴史に名を残したいとか思っていわけではないし、特にそういうことを公言する人間はあまり好きではないのですが、「司馬遼太郎(みたいな人)に褒められる行政官でありたいなあ」などという、考えてみればかなり大それたことを思いたくなってしまう一冊です。笑


あ、冒頭の引用部分を切り取った理由は要は「明治のときだけ日本史の中で、突然変異的に生き生きした国だったんだよ」っていうことを司馬遼太郎が一番言いたいんだろうなあと思ったからでした。坂之上のなんとかですな。




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『米生産調整の経済分析』(荒幡克己/農林統計出版)

今世紀一番の米の生産調整の専門書。



行政がやるべきことを1人でやってみた、的な本。

職場の先輩に薦められて読んだ本でしたが、すごい。

日本の米の生産調整に関する専門書です。一般向けの本としては質量ともに最高レベル。
これまで何ゆえに生産調整が行われてきたのか、そして現在はどのように行われているのか、未来はどうすればよいのか、を過去の文献や聞き取り、そして著者の専門である計量経済学の視点で明らかにし、あるべき政策の評価軸を定めた上で、現実的な施策を提言しています。

著者は元農水官僚であり、また農業経済学の分野では著名な米メリーランド大での留学経験を持ち、そこで師事をした教授との共同研究としてこの著作の構想を行ったのだとか。学術的に価値があるのはその「生産調整をどう評価するか」のメソドロジーの方であり、それはそもそも市場均衡状態を実質減反率を仮定した上で関税はそのままで定義して市場価格を求めて、その後直接支払いの移転率を・・・と、私もちゃんと説明できません(笑)



みんなきっと、減反はやめたいんですが、やめらんないわけです。「おかしいじゃないか。やめるべきだ」と言うことはものすごく簡単なわけですが、実際どうやるのかが難しい。そのためには過去の経緯を総ざらいして、その上で現在の状態を定義して・・・と考えるとこういう本になるんだろうなあ・・・と。


結論は財政負担と市場のゆがみの少ない手法で、ソフトランディングさせることに尽きるわけです。
それはなんかもうアプリオリに決まっている話であって、別に分析とマッチしているかと言われるとそうでもない気がするんですが、国の政策なんて所詮そんなつまらなーいものであって、鮮やかな手法を大胆に取り組んでいくのではなく、みんなが当然に思っていることを当然のように抜かりなくやっていくのが行政なのかな、などと改めて思ったりもします。

こういう本は本当に貴重ですね。






2011-01-03

targets of 2011


明日からお仕事。

毎年恒例ですから反省&目標設定を。

昨年の理念&目標はこんな感じでした。

◆活動理念
「軸を持ち、付加価値を付ける」(Have a principle, add a value)

◆定量目標<各25点>
①肉体:体重を変えない(10/10)。100万円貯める(0/15)。
②社会・情緒:今年新たに知り合った100人に年賀状書く(15/25)。
③知性:TOEFL100点(0/10)。HSK初級で級とる(10/10)。気持ちが合う(農業)経済学者見つける(0/5)。
④精神:1日1付加価値(5/15)。1つアイデアを仕事で具現化(5/5)。

合計は・・・45点。。。

ということで、端的にいえばあまりうまくいった一年ではなかったということですな。
今の今までうまくいった1年だと思ってた。反省って大切。笑

で、今年

◆活動理念
「前倒ししてみる!」(Try everything in advance)

もう3年目に入るので、自分や組織の将来を考えられるのではないかと思う今日このごろ。
「将来こんな風に生きたいなあ、働きたいなあ」ということを、水面下でもうやってしまって、次のステップに進んでしまおうという意味です。言い換えれば「実践あるのみ」「種を巻く1年にしたい」ということでしょうか。最近(だけかもしれないけど)すごく元気なので、「将来的にはやりたい」を「いまやる」にしてみる、という姿勢で臨みたいと思います。

◆目標設定
ちょっとまた考えます。。。

2010-11-14

『佐藤可士和の超整理術佐藤可士和/日本経済新聞出版社)




「アートディレクターの本質も、まさにそういうことです。整理することでいちばん大切なものを見つけ、磨き上げてデザインする。それがうまくいけば、見る人にメッセージを限りなく完璧に伝えることができる。つまり、僕のやっていることは、ブランドや商品と世の中とを結び付ける、コミュニケーションデザインの仕事なのです。」




広告って、そういうものだったのか・・・という衝撃と納得感。
それだったら広告も政策も一緒じゃないか、という妙な読後感を覚えました。

ベストセラーになった一冊です。
整理術なら間に合ってますと思って無視していたのですが、中身は問題解決の本です。もっと本質的に言えば問題「発見」の本。

①状況把握・・・情報をいろんな視点から集める
②視点導入・・・ある視点(仮説)で情報を並べてみる。優先順位をつける。
③課題設定・・・並び替えたものそれぞれに課題を設定する(=あとはそれをやれば解決)


デザイナーなので、③以降のロジには触れられていません。そういう意味では不完全でしょうが、でも本書のメッセージは具体的かつ鮮やか。良書ですね。

ちなみに、この本がハードカバーなのは彼のデザインでしょうね。ハードだと綺麗なまま整理されるから?


あ、「自然科学とは整理である」という言葉を思い出しました。

結局自然科学って何か新しいことを生み出すわけではなくて、現象を解明する。
それは整理であるというわけです。(といいつつそうじゃない、という方がおられたらごめんなさい)

ちなみに、経済学は完全に整理そのものですね。





『30歳からの成長戦略 「ほんとうの仕事術」を学ぼう 』(山本真司/PHP研究所)




好きなもの×人気のないもの=差別化。




有名外資系コンサル会社パートナーが書く、戦略的な人生設計論、という感じでしょうか。

企業の論理は「同じものを作る会社は2つはいらない」というもの。それを個人に当てはめ、まず「好きなもの×人気のないもの」で差別化し、その差別化した分野をさらに伸ばし安定化する(=独占状態)。必要なビジネススキルは既に本になっているものは陳腐化しておりマイナスを減らすだけでプラスにはならないので超効率的に学ぶ。そのほかPPMに当てはめて自己研鑽に勤め、アウトプット形の学習を行う。精神は無我(利他主義)の境地に達する・・・。


批判的な書き方みたいですが、内心超共感なのです。。。


意識的・無意識にやってきたことが個々に全部載ってて、それ以外(PPMで自己研鑽とか、アウトプットを定義して自己研鑽するとか)も載ってて、やられた・・・という感じ。これほど入り込めてしまうとちょっと怖いですね。自分の心の狭さが凄く感じられてしまいます。。。


一言で言うと「ビジネススキルは本で学ぶものではなくビジネスで学ぶものだ」ということ。
二言で言うと「自分のためじゃなく、他人のために働け」ということ。



まあ、読んでも意味なくて、実践することに価値があるわけですけどね。

フッサールが読みたい今日この頃です。笑





『【ダイジェスト版マイ・ゴール】これだっ!という「目標」を見つける本』(リチャード・H・モリタ/イーハトーヴフロンティア)



「本当の目標さえ設定できれば、必ず成功できる。目標設定とは、成功の秘訣の一部分ではなくすべてである」




ああ、すごく共感。という一冊。

学生の頃人生に迷って人生指南書の類を読み漁った私ですが、結局本当に自分を動かしてくれたのは本に書いてあった自己啓発法ではなくて自分で設定した自分の将来像だった、ような気がしています。

学生の頃サークル運営について悩んで経営書の類を読み漁った私ですが、結局本当に友達を動かしてくれたのは本に書いてあった戦略論ではなく、みんなで考えたゴールイメージだった、気がする。


結局「どれだけ本気になれる・わくわくできる目標を定められるか」ということが重要で、そのためには知らなければいけない、自分自身や他人や組織や環境を、というのがこの本の主張。


思えば、就職活動における自己分析って、想定問答集づくりじゃなくて、目標設定のプロセスだったんですね・・・。完全に意味を誤解していました。


久々にレビューを書くと、悪筆がさらに出ますね。


2010-07-24

why do you live?

あなた、そんなんだったらやめなさい。



先週、異動する先輩の送別会の幹事をやっていたときのこと。

私が尊敬する職場の大先輩にそんな一言を頂いてしまいました。





「最近どうなの?」

「いや・・・。いろいろ難しいですね。こういう政情では。予算もないし」

「別に予算がなくてもできることはいくらでもあるはずでしょ?」

「確かにそうですけど、でも我々は現場を知っているわけではないですから、何をするにも確信が持てないんです。机上の空論で考えたことを実行しても迷惑をかけるだけですし。そもそも、市町村、県、出先機関とか、いろんなプレイヤーがいるんですから、それぞれに役割分担があると思うんですよ」

「じゃあ、国の役割って?」

「結局現場に一番近い人に頑張ってもらうしかないんですから、その人たちのために予算を取ってくることなんじゃないんですかね。現場に行けば行くほど、優先順位は下がってきて独自の予算は取れないわけじゃないですか。だから国で予算を取る。そして現場に近い人に現場に即して企画をしてもらう、それが本来のあり方じゃないんですかね。」

・・・といったところで冒頭のひとこと。

「なぜ予算があるのか?なぜ法律があるのか?なぜ出先機関があるのか?なぜ町役場があるのか?・・・考えたことはあるのか?まず、我々が一人で現場に行って、全部やるんだ。一戸一戸の経営を見て、自分が思う経営改善について、アドバイスする。それが自分1人ではやりきれないときに限って、町役場の人や出先機関に手伝ってもらう。それでもできないときに限って、予算を使う。それでもできないときに限って、法律を作る。役割分担なんて、思い上がるんじゃない。まずお前が経営を見れなくてどうする!俺は現場でずっとやってきて、現場ではできないことがあると思ったから、国に来たんだ。」



この送別会自体は水曜日にあって、この言葉が頭を離れず、ずーーーーーーーーーーっと考えていたのですが、今日久々に築地に行ったり、映画に行ったり、家族と食事していたりして考えが整理できました。キャリアとか出世とかどうでもいいといいながら、実は自分自身、内心すごくこだわっていたんだなあ、と気づいてしまいました。でもふと考えてみれば、そんなことのために生きるのは空しいと思って専門を決めたし、今の職業を選んだんです。





まず、自分1人で、全部やってみよう。





と考えたところで、就職して以来、自分にまとわりついていた何かがふわっと取れた気がしました。その何かは、実はすごく重くて、それが良くないことはわかっていたけど、自分にはどうすることもできなかったんです。。。



あ、当然、やめるなんて考えませんよ!



















2010-04-19

『農協との「30年戦争」 』(岡本重明/文春新書)






うちの社長(?)の発言で話題に上がっていたので購入した一冊。

農協への恨みつらみの一冊かと思いきや、自らの半世紀&アイアントライアングル批判&自分の農業観、という構成。農協批判はもう何十年も前から同じ内容で散々なされていますが、批判を行動で体現している話は内容が一緒でもすごく新鮮。逆に知識や法律から語る言葉には情報量はあっても経験に根ざした説得力がない。


著者は愛知県の渥美半島で30年にわたる専業農家を営む農業経営者。
93年に有限会社を立ち上げ現在は売上高1億3千万。利益率は不明ですが、トップ層の生産者の一人であることは間違いない。


・農協の部会の共同購入は必ずしも安くない
・共同選果の品質基準は市場ベースであり、本当に売れるものが評価されない
・口座情報・大きな取扱量を背景に農協を脱退する農家への嫌がらせはやめるべき
・補助金があるから機械を買うのでは、補助金は農協の行動を変え、農家の経営力を奪っているだけ









2010-01-23

『それでも人生にイエスと言う』(V.E. フランクル著, 山田邦男・松田 美佳 訳/春秋社)



「生きる意味ってあるのかなあ?」



ある種の人間は、きっとどツボに嵌る質問じゃないでしょうか?

・・・というのも、かくいう私も、まさにその一人だからです。



やりたいことがない人間から、やるべきことを取ってしまったら・・・そこに待つのがこの問い。

なんとなく大学生活を送っていて、やるべき仕事がなくなって、とるべき単位がなくなって、でも生活は保障されていて・・・。そんな人間だった自分。こんなこと考えても意味ないんだろうなあ、と思いつつ考えていたのが人生の意味でした。あのとき「まあ、結果的に意味のある人生にすりゃ、いいんだ」と割り切って、とりあえずやりたいことらしきことをやるという判断をしなかったら、今の自分はなかったかもしれません。



著者のV・E・フランクルはナチスの収容所体験を持つ、精神科医。死以外に待つものがない絶望的な状況の中で、一囚人として体験したこと、周りの人間を観察して発見したことから、「人生の意味」について語った講演録がこの一冊。


「人生の意味を問うべきじゃない。人生が自分に何を期待しているかを問うべきだ」というのが結論。人は快楽のために生きているのではない。快楽は責任を全うした結果として与えられるもの。

同様に

「仕事の意味を問うべきじゃない。仕事が自分に何を期待しているかを問うべきだ」

なんでしょうね。



というわけで、25年間生きていた自分と、支えてくれた家族・友人・先生先輩後輩に感謝ということで、誕生日の一言でした。














2010-01-03

a review of 2009 & targets of 2010

明日からお仕事。



明日から仕事だあ・・・というぼやきが昨年の反省を端的に表しているような気がしますが、毎年恒例ですから反省&目標設定を。

昨年の理念&目標はこんな感じでした。


◆活動理念
「いつも100点」(Always Perfect)

>「いつも100点」を目指す意識は就職後特に高まっていったものの、結果的には理念に沿った活動ができなかった。というのも完璧を期すためには、言われたことに隠された努力が必要であり、表面上でしか物事をこなしていなかったから。感覚としては、100点を取るためには、130点分の努力をしないといけない、ということである。(速さを求めるあまり、時間軸、空間軸、で考え、優先順位をつける視点が欠けている。)活動理念を通じて、「言われたことを、言われた通りにこなす」ということが非常に苦手であるということを実感。社会人として極めて致命的なので早急に策を講ぜられたし。。。


◆目標
(各25点)
①健康・・・体重変えない。休まない。日記毎日書く。>15点
体重は変わらず、休まなかった。日記は11月ごろから途絶えていたので。

②清潔・・・毎日掃除機かける。毎週大きめの掃除。毎月大掃除。>10点
毎日掃除機は実践。それ以外は失念していた。

③社交・・・月1回は新しい人(年上・年下)と会う。>20点
こんな目標あったんだ・・・。基本的にはあっていた気がする。

④勉強・・・毎月専門書(英語)を一冊読む。先生のブックリストを就職までに読破。TOEFL100点、英検1級。TOEIC800点。>0点
あまり無茶な目標は立てないようにしましょう。苦笑

というわけで、昨年は45点でした。あんまりよくないのですが、実感値に近い気が。
何よりも点数で出るのはいいですね。
よく考えればこの軸は何か変だぞ。


ということで、今年の理念&目標。

◆活動理念
「軸を持ち、付加価値を付ける」(Have a principle, add a value)


軸を持つ、というのは大きな理念。自分と農林水産業・日本・アジアの将来像を描く、ということ。いろんな変化の中で、何を軸に考えればよいのか、見えなくなっている気がする最近。重視すべきは人なのか、ムラなのか、土地なのか、食べ物なのか。結局はすべてなのでしょうけど、そういうバランス論ではなくて、理想と現実を掴んで語れるようになりたい、というのが切実な願い。だってそれがないとただ、働くだけだもん。

付加価値はミクロな自分の行動。何かひとつでも相手にとって「頼んでよかった」と思われるような仕事ができるように、自分にとって「新しいことができた」と思えるように、プラスアルファを探して何事にも取り組む、という姿勢を身に付けたい。これができるときっと去年の目標もクリアできてるんだと思うんだよね。



◆定量目標<各25点>
①肉体:体重を変えない(10)。100万円貯める(15)。
②社会・情緒:今年新たに知り合った100人に年賀状書く(25)。
③知性:TOEFL100点(10)。HSK初級で級とる(10)。気持ちが合う(農業)経済学者見つける(5)。
④精神:1日1付加価値(15)。1つアイデアを仕事で具現化(5)。


目標達成のための道のり。
①週三回はジムに。1/4は貯金。
②月1回は農村へ。月1回はセミナーへ。(月あたり8人に会えればOK)
③とりあえず勉強法を聞いてみる。毎日何かやる習慣を(語学)。まずはブックリストを作ってみる。
④日記を毎日書き、付加価値の例&アイデアを書き留める。


最後になりましたが、今年もよろしくお願いします。









2009-12-27

『構造政策の理念と現実』(安藤光義/農林統計協会)



正しいのはどっち?



政策効果を検証した一冊。
取り上げらているのは農業経営基盤強化促進法で、まさに課の所管なんですね。

「構造政策」とは、いわば「農地をまとめていきましょう」という政策のこと。
小さな面積で農業をやっても効率が悪く、儲からない。儲からないままだと誰も跡継ぎが生まれず農業全体が立ち行かなくなってしまう。だから儲かる農業のために大きな面積で農業が行われるように、農地を地域の中心人物に集めていきましょう、というのが構造政策の論理。「構造」という呼び名が与えられているのは、農地は有限なので、だれかに集める=だれかが手放す、という全体の構成にかかわるものだからでしょう。

「農業経営基盤強化促進法」とは、市町村ごとに、この「構造政策」を進めるための手段を与えた法律で、その法律について政策の効果がちゃんと出ているのか、ということを具体的な事例を元に検証し、提言しているのが本書。

で、内容は

①もはやコメが儲からない以上、大規模に耕作したって儲からない。だから儲かるために土地を集めましょう、という仕組みは意味がない。(構造政策と経営体育成政策との乖離)
②地域で農地をまとめて「儲かる」仕組みを作ろうと促しても、地域の人は農業を維持しようと思っているだけで、儲けようとは思っていない。(集落営農の目的の変質)
③都市農地では、相続税対策が一番の問題。

という感じ。

言われていることはもっとも、な気がする。
振興行政って、難しいですけどね。









『ルワンダ中央銀行総裁日記』(服部正也/中央公論社)



なんと、復刊されました。



 もう4回ぐらいレビューしている本書ですが、何気なくアマゾンを調べていたら、同じタイトルが2つ。。。待てよ・・・と思ったら案の定復刊されていました。いやー名著はやはり残っていくものなんですね。

見知らぬ国に一人で乗り込んでいって、経済復興計画を作り、実際に復興させてしまう凄さ。
農民、商人、役人、政治家、ルワンダ人、インド人、ベルギー人、アメリカ人・・・あらゆる立場から話を聞き、1つの物事に対する異なる見解を1つの論理にまとめていく想像力。発想から政策立案が直結する鮮やかさ。政治への配慮と戦略。

「なんで役人になったの?」の30%ぐらいはこの本のおかげな気がしています。

以前は絶版で、アマゾンでしか買えなかったのですが、これで書店でも買えるようになりました。もう一冊ぐらい買おうかしら。笑

やはり、目標ですね。




2009-12-19

『オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える』(木村元彦/集英社インターナショナル)



「無数にあるシステムそれ自体を語ることに、いったいどんな意味があるというのか。大切なことは、まずどういう選手がいるか把握すること。個性を活かすシステムでなければ意味がない。システムが人間の上に君臨することは許されないのだ」



あああ、こんな人になりたい。

日本代表前監督のイビツァ・オシムについての本。
著者は記者であり、ノンフィクションライター。サッカーだけでなく、オシムの故郷であるサラエボについても詳しいため、彼の半生記を綴りつつ、そこで結晶した人間性を浮かび上がらせています。要はブームに乗って書いただけではなさそう、ということ。


民族が入り混じり、内戦で祖国が混乱する中、数学者や医者の道を蹴り、サッカー選手となったオシム。選手一人ひとりをつぶさに観察しつつ、チーム全体やサッカー界すべてを視野に入れ発言し、行動するその姿は、監督として、人間としての一つの完成体である。



思えば、監督って、自分でプレーしないわけです。実際には何もできないけど、確実に何かしている。その「何か」がオシムの行動なのでしょう。


とにかく、発言が、行動が的確すぎる。無駄がない。よく見てる。自分を知り、相手を知り、未来を知る。

服部正也もたぶん、こんな感じなんだろうなあ、と。

別にサッカーはまったく分からないのですが、こういう生き方をしたいなあ、と思うのでした。







2009-10-25

『食と農の戦後史』(岸康彦/日本経済新聞社)



進化と退化。



食や農に携わる人間としての基本書があるとすれば、間違いなくその一冊に入る本。
前々から読まなきゃと思っていたのですが、結局ついこの間職場の図書館から借りて読了。
・・・読んでいなかったことが恥ずかしい一冊です。

内容は戦後の農と食のルポルタージュ。もっといえば、農業生産・農業政策・食品産業・食卓の60年、という感じ。当たり前なんですが、生産だと「農」で、消費だと「食」なんです。両方の視点から見ないと、現実を見誤るなあと改めて感じたのでした。

印象に残るのは戦後の食生活の変化の激しさ。食品産業・外食産業は未曾有の拡大を見せたのに対して、衰退した(土地利用型)農業と、荒廃した食生活。日本型食生活の復権が叫ばれて久しいですが、結局は昔に戻れ、という話。有機農業の進行とあわせて、いのちの世界はマルクス経済学でないと分からないのかも。。。


個人的なハイライトは農業基本法。「日本の高度成長に賭けた」という言葉の意味は定かではないですが、俺たちが農業を作るんだという意気込みはすごいものがありますね。










『新政策そこが知りたい―「新しい食料・農業・農村政策の方向」の解説』(新農政推進研究会/大成出版社)



農政の源。



今の農業政策の始まりの一冊。
「これまでの規模拡大路線は行き過ぎだ。農業・農村政策は一体的に。」みたいなことを最近はいわれますが、その路線がまさにこれ。


内容としては、「新しい食料・農業・農村政策の方向」(平成4年6月10日)の解説書。
ただしこれが「新政策」として、これまでの農業政策の基本方針となったので、法律でも政令でも通知でもなんでもないんですが、有名なのです。農政を「食料」「農業」「農村」と分けたのはこれが最初という噂。内容としては育成すべき農家像とその数(とそれに対する農地の集積目標)を明確にし、それに対して各種施策を講じるプロセスを築いた点が画期的。


農業者の高齢化、規模拡大の遅れ、貿易自由化への対応、環境問題への貢献・・・食品の安全性や多面的機能の解説など、現在当たり前のように議論されている論点がこのとき既に盛り込まれていたことは、当時の見識がすごいのか、現在の認識に進歩がないのか、どっちなのでしょうか?(執筆者の一人によれば)結構売れたとのことで、当時は画期的な政策だったことは間違いなさそうです。




当時は直接支払い(農家に直接(固定額の)補助金を払う)が時期尚早として見送られていたんですね。。。そのほか農商工連携が「地域内発型農林水産関連産業」といわれていて、なんだか奇妙です。生産調整は議論があいまいですね。


『戸別所得保障制度、そこが知りたい』を出したら、売れると思うんだけどなあ。






2009-10-03

『佐々木かをりの手帳術』(佐々木かをり/日本能率協会マネジメントセンター)



「時間管理が上手な人は悩みが少ない。なぜならば、悩みというのは、長い時間解決できない課題のことを指すからだ」



衝撃的だった一冊。「いくら計画を立てても、行動を起こさなきゃ意味がない。というか、行動以外は意味がない」そんな思いが手帳から読み取れます。

著者の佐々木かをりさんはone of 有名な女性起業家で、2社の社長&2児の母。
もっと有名なのは彼女の考案した手帳。

もともと手帳が好きだったという著者。そのうち自作を始め、一時はフランス製の手帳を使っていたそうですが、結局祝日とかの関係で自分で製造・販売してしまったそう。

手帳の設計はいたってシンプル。
・一週間見開き
・30分ごとの欄
・基本、それだけ

毎日のページとか、価値観を明確化するページとか、一ヶ月の予定を確認するページとかメモとか、そんなのは基本的にないんです。だって一箇所になってたほうが見やすいし、何より無駄だから。フランクリンプランナーと比べると、すごく実践的。あれはすごく理論的なんですね。大事なことはわかるけど、コストが・・・。



市販の手帳→フランクリンプランナー→自作→outlook→フランクリンプランナー・・・と行動力がないことを手帳のせいにしてきたのですが、何だかしばらく落ち着きそうです。当然、手帳<<行動、ですけど。


2009-08-16

『チェンジ・リーダーの条件―みずから変化をつくりだせ! (はじめて読むドラッカー』(Peter F. Drucker著,上田惇生著/ダイヤモンド社)



「自分は何か得意で何が不得意か」との問いこそ、ベンチャーが成功しそうになったとたんに、創業者たる起業家が直面し、徹底的に考えなければならない問題である。しかし実は、そのはるか前から考えておくべきことである。あるいは、ベンチャーを始める前に、すでに考えておくべきことかもしれない。


ドラッカリアンを自称してはばからない私ですが、知っていても実践できていないことが多いなあ、と思わされた一冊。

タイトルは変革期のリーダーシップ的な感じですが、内容は「マネジメントとは何か?」に尽きます。別にチェンジが重要なわけではなく、組織の使命に適い、そこで働く人が成長し、社会に何か貢献できればよい。

目標は必ず立てるべし、そしてきちんと反省すべし。
自分からではなく、市場から発想すべし。

組織を考えても、結局自分に跳ね返ってくるのが人間の面白いところなんでしょう。




『ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代』(大前研一訳、ダニエル・ピンク/三笠書房)



左脳から右脳へ。



単純作業はどんどんコンピュータに置き換わって、わずかに残された人的な労働も発展途上国に流れてしまったとき、そして安くて良質なモノで世の中が溢れてしまい、満たされすぎている現在、僕らは何で稼げばいいんだろう?そんな答えを示した本です。

結論は「新しいことを考える人」(ハイ・コンセプト)と「他人に共感できる人」(ハイ・タッチ)のみが価値を持つ時代になる、ということらしい。

本書の特徴は、それを左脳、右脳という対比でもって示していること。右脳的な発想こそが今後のマーケットで生き残る鍵になり、それは先進国のかつての教育によっては満たされえない領域であるそう。

実用性<デザイン
議論<物語
個別<全体の調和
論理<物語
まじめ<遊び心
モノ<生きがい

てことは農業じゃん?と思うのは私だけでしょうかね。
なんだか元気になれる一冊です。



2009-08-15

『企業参謀』(大前研一/講談社文庫)



「この作業には『徹底的』とか『しつこい』と呼ばれるくらいの努力が必要である」



タイトル通り、企業において、まるで戦場における参謀のように戦略を立案するためのノウハウをまとめた一冊。これを文庫にするのは凄い。
訳書でなくてここまで本格的な本が自分の生まれた年に出版されていたとは、驚きです。。。

感じるのは合理的な仮説検証の重要性とそのための発想力&分析を使いこなすスキルの必要性。他の書籍に比べて、仮説の前提となる分析の記述と手法がかなり多い気がします。・・・というか、はっきりいって全然わかんない。

ああ、仮説って、立てて感覚的に優先順位をつけて実施するんじゃなくて、立てたら分析して、検証してから実施するんだなあ、とよくわかるものの、その分析作業は知的な作業だなあ、と思うのでした。PPMの説明は、すごくわかりやすい。


流れているのは、「戦に勝つのは将が強いからであり、負けるのは将が弱いからである」というリーダー論。国政への応用も書いてあり、確かにこうやったら面白いだろうなあ、と。


印象的なのは、問題はすべて異なり、答えもすべて異なる、という前提。
海外に事例を探すのがもっともらしいような気がしてしまいますが、それは逃げ、なんですね。